「信じるよ、、、手紙にも書いてあったし、、、」
あの手紙、読んでくれたんだ、、、
「ごめんなさい、、、わたし、ユウトに酷いことして、、、本当にごめんなさい、、、その上、手紙まで書いて、、、ユウトを傷つけた、、、ユウトをどうしても失いたくなくて、、、全部本当のこと書かなくちゃだめだと思って、、、余計に嫌われると分かっていたのに、、、」
涙がこぼれそうになる。
「それに、、、すごく恥ずかしい、、、セフレ以下でもいいからユウトとしたいだなんて、、、キモかったよね、、、そんなオンナ、、、」
「そんなことないよ、、、俺、正直、心が動いた、、、アメリカに渡る前にマキに連絡して、、、思いきり抱きたいと思った、、、でも、必死にガマンしたんだ、、、最後の男の見栄というか、、、俺、、、本当はマキに未練タラタラだったから、、、」
ウソでもいい、、、そう言ってくれるのがたまらなく嬉しい、、、
こんなに優しくて愛してくれていた人をわたしは裏切った、、、
悔やんでも悔やみきれない、、、
「ユウト、、、わたしの気持ち、、、変わってないと言ったら、、、どうする?」
「えっ?」
「セフレ以下でもいいって、、、わたしの気持ち、変わってないよ、、、」
「、、、やめておくよ、、、、もう、、あんな思いはしたくない、、、」
「そうだよね、、、ヘンなこと言って、ゴメン、、、忘れて、、、」
またわたし、空回りしてる。
わたしって、、、ダメだなぁ、、、
「ごめんなさい、、、わたし、帰るね、、、」
玄関へ向かう。
「行くな、、、マキ、、、」
マキが立ち止まり、背中を向けたまま尋ねてきた。
「どうして、、、目黒さんと結婚しなかったの?どうして、、、別れたの?」
ユウトがマキの腕を掴む。
「それは、、、」
マキはスマホを取り出しユウトに見せた。
それはユウトが引き裂いた結婚届をテープできれいに貼り合わせた写真だった。
「わたしの宝物、、、これがあったから、わたしは生きてこられた、、、頑張れたの、、、嫌われちゃったけど、ユウトがわたしを愛してくれた証、、、友だちも何もかも無くなって、、、これしか、わたしには何も残らなくて、、、」
ユウトはマキを抱きしめた。
ユウトが抱きしめてくれてるの?
どうして?
夢なの?
でも、、、ユウトの匂い、、、
大好きだった匂い、、、わたしは本当にユウトの腕の中にいる、、、
「忘れられなかった、、、目黒といても、、、セックスしても、マキのことが頭の中にあって、、、これがマキだったらって、、、考えて、、、アイツにも、それが分かったんだと思う、、、」
「どうして?目黒さん、あんなにキレイで、、、カラダだって、、、」
「俺にしか分からない、、、マキはオンナとして最高なんだ、、、それだけで俺はいい、、、」
こんなにわたしを愛してくれる人はもういない、、、
わたしはそれなのに、、、
だから一生をかけて償う。
高望みはしない、、、
そばにいられるだけでいい、、、
ユウトの都合の良いオンナになる、、、
それで幸せだ、、、
「ユウト!」
二人は八年越しの口づけを交わした。
つづく
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