ユウトのいない日々が続く。
耐えきれなくなったわたしは母に電話で全てを伝えた。
ユウトとの交際を心から喜んでくれていた母に、、、
母は心配して、すぐに飛んで来てくれた。
でも思いきり叱られた。
生まれて初めてこんなに怒られた。
頬を叩かれた。
わたしは泣いた、、、
母も泣いていた、、、
わたしには何も出来ない、、、後はあなたが決めることと言われた。
優しく抱き締められて、そう言われた。
ただ、捨て鉢になったら、もうあなたはオシマイとも言われた。
自分の人生を大切にしなさいと言われた。
わたしは溢れる涙をこらえることが出来なかった。
母が隠れて父に何度も電話していた。
父も心配してくれている。
両親の愛情を感じる。
母は何度もわたしの手を握りしめ帰って行った。
頑張りなさい、あなたはこの世で一番大切な宝物よと言って、、、
わたしは泣いた、、、
ユウトだけじゃない、、、わたしは両親も裏切った、、、
ユウトが自分に見せてくれた涙、、、
思わぬ再会で、そんなユウトをこの胸に抱きしめた、、、
それから幸せな日々が始まった。
わたしのためにいろんな思い出を作ってくれた。
女としての本当の歓びを、愛する男とのセックスの素晴らしさを教えてくれた。
子供みたいにユウトのお嫁さんになりたくて、それが実現するところまできていたのに、、、
わたしは幸せに浮かれて調子に乗ってしまった。
気に入っていた可愛い男の子に真剣に告白されて、トキメキを抑えることが出来なかった。
美人の彼女を差し置いて自分を選んでくれたことが嬉しかった。
口では彼女に悪いから、いけないわ、、、
彼女を大切にしてあげなさいと、もっともらしいことを口にしながら、さりげなく誘惑していった。
この子に抱かれたいと思うようになっていた。
そして、彼女よりわたしがどんなに素晴らしいオンナなのかを教えてやりたかった。
わたしのセックスに夢中にさせてやりたかった、、、
慕ってくれるナナミを可愛がりながら、心の中ではバカげたライバル心に燃えていた、、、
わたしのしたことは人間のクズがすることだと、あとになって気付いた。
そしてバカなわたしはユウトに分かるはずがない、隠れてリクとの関係を楽しめばいい、、、
そうすれば、わたしはもっと幸せになれると思い込んでいた。
最低のオンナ、、、
千夏の言う通りだ、、、わたしはアバズレだ、、、
愛する男の心を踏み躙り、快楽に耽ったオンナ、、、
そんなオンナがユウトのそばにいれるはずがない、、、
しかし、分かっていてもユウトへの想いを断ち切れない、、、
マキは手紙を書くことにした。
拒絶されている自分には、もうそれしか手立てが無い。
ただの女々しい女心を綴っても、もうユウトの心には響かないのは分かっている。
だから更に嫌われることを覚悟の上で、恥を承知で何もかも真実を打ち明けることにした。
悔いが残らないように、、、
つづく
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