マキはその場に跪き土下座をした。
周りが驚き、視線が集まる。
だがマキにはまるで気にならなかった。
「ユウト、本当にごめんなさい、、、わたしは取り返しのつかない過ちを犯しました、、、元に戻れるなんて思っていません、、、でも、そばにいたいんです、、、一生をかけて償います、、、」
怖くてユウトの顔が見れない。
床に額を擦りつけ、謝罪と懇願をひたすら繰り返す。
「あなた、、、いい加減にしなさいよ、、、こんなところで、、、ユウトの迷惑だと気付かないの?結婚の約束までしているのに平気でセフレつくるような女、未来のあるユウトのそばには必要ないの、、、どうせ他にも男がいるんでしょう?」
「そんな人、いません!わたしは騙されていたんです、、、あんな男とはもう関係ありません、、、もう二度とユウトを裏切ったりしません、、、」
思わず言い訳してしまう
「あなた、分かってないわね、、、どうしてそれが信用できると言うの?あなたはそういう事をしたの、、、ユウトを騙して裏切ったの、、、ちゃんと自覚しなさい、、、」
「うっ、、、それは、、、ごめん、、、なさい、、、」
その通りだ、、、
もう謝るしかできない。
泣かないと決めていたのに涙がこぼれそうになる。
「目黒さん、、、その人の事はもういいんだ、、、行こうか?」
その人、、、
もういい、、、
ユウトの言葉が胸に突き刺さる。
「そうね、、、わたしはまだ話があったのに、、、ここじゃもう無理ね、、、」
顔をあげてユウトを見る。
あの優しいマナザシはもうそこには無い。
でも怒ってはいない、、、
怒りは感じられない、、、
ただわたしを見ていた。
まるで、そのへんにころがっている石ころのように、、、
わたしは、、、もうユウトにとって、、、そんな存在なんだ、、、
ユウトが目黒と行ってしまう。
ポロポロと涙がこぼれた。
ふと目黒が引き返して来た。
そして耳元で囁いてきた。
「あ~あ、泣いちゃって、、、ズルイ女だね、、、自分が悪
いくせに、、、少しぐらい、いいカラダしてるからって調子に乗って、、、でもわたしの方が上だからね、、、あなたがバカな事してくれたからチャンスが来た、、、ユウトのこと、絶対に虜にしてみせる、、、指を咥えて見ているのね、、、また他の男にでも股開いていればいいわ、、、浮気に後悔しない、この本物の浮気オンナ、、、」
悔しいが返す言葉がない、、、
絶対に口にしてはいけない言葉、、、
そんなふうに受け取られてしまっても仕方ない、最低の言葉、、、
悔やんでも悔やみきれない、、、
いつの間にか横にナナミがいた。
「マキさん、こんなことをしても先輩と自分を苦しめるだけですよ、、、」
マキを立たせると近くの椅子に座らせる。
「マキさんておバカなんですか?あんなにユウトさんに愛されていたのに、、、それは先輩だって愛想尽きますよ、、、わたしがあんなに誘惑したのに、本当にマキを愛してるからって応じてくれなかったのに、、、マキさんはコロッとリクとセックスしちゃうんだもん、、、」
ユウトはわたしのために拒んでくれたんだ、、、
わたしは大バカ者だ、、、
「もうすぐ先輩のお嫁さんになれたのに、、、リクなんてユウトさんにかなうところなんて一つも無いのに、、、ズルくて、ウソつきで、自己中で、、、」
ナナミの言葉が突き刺さる。
「ああ、そうか、、、顔ですか?マキさんて、ただの面食いだったんですね、、、ガッカリだな、、、わたしマキさんに憧れてたのに、、、まぁ、わたしも人のこと言えないけど、、、」
違う、、、と言いたいけど、その通りだ、、、
初めからリクの顔に惹かれていた、、、
それが間違いだったことに気付くのが遅過ぎた。
わたしは偽りの外見に騙された、クズで愚かなオンナだった。
つづく
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