ユウトのことばかりが頭に浮かぶ。
あれから一週間、大学でも見かけないし、部屋にも戻らない。
まさか、、、思いたくもない考えが頭を過る。
そんな事なったら、、、わたしも死ぬ、、、
そんなとき知り合いから連絡がはいった。
ユウトが今、学生会館にいると。
わたしは講義を抜け出し、その場所へと急いだ。
ユウトがいた、、、
涙ががこぼれそうだ、、、
久しぶりのユウトはやや頬がこけ、痩せたように見えた。
そして生気が余り感じられない。
わたしのせいだ、、、
マキは勇気を振り絞り近づいて行った。
「ユウト、、、探してたんだよ、、、ずっと心配してたんだよ、、、」
向かいに座っていた女性が席を立ち、マキを見据えてきた。
見覚えがある。
確かアメリカの大学に留学して、そのまま医局に残った有名な先輩だ。
長身で手脚がスラリと長い。
その上とびっきりの美人でスタイルもモデル顔負けだ。
そしてマキ以上にその存在感を誇示するような胸、服の上からでもそのカタチの素晴らしさが明らかだ。
見かけだけじゃない。
折り紙付きの優秀さでカースト最上位に位置していると言っていい、、、
日本にいた頃は女王と呼ばれていたらしい。
マキは圧倒された。
どうしてここにいるの?
どうしてユウトといるの?
その女王がマキに向かって口を開いた。
「あなたね、、、あきれるわ、、、全部あなたのせいでしょう?いつもユウトの足を引っ張って、、、その上、浮気までして、どの面下げて心配だなんて言えるのよ!」
余りの剣幕にマキはたじろぐ。
それに、、、足を引っ張るって、なに?
「他の男とセックスして、わたし後悔しないって、どういうこと?キモい、、、もういいから消えて、、、ユウトをこれ以上苦しめないで、、、」
確かにあのとき、わたしはそんなことを口にした、、、
やはりユウトは聞いていたんだ、、、
酷い言葉だったと思う、、、
ユウトを酷く傷つけたと思う、、、
許されるはずがないと思う、、、
わたしはそれほど酷い仕打ちした最低の女だ、、、
けれど従うわけにはいかない。
ユウトを絶対に失いたくない、、、
そのためだったら、どんなことだって出来る。
つづく
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