あの時、村井がシャワーにいかなければ、わたしは村井を受け入れていた。
間違いなく村井とセックスしていた。
そして、、、きっとイカされていた。
そんな自分が怖かった。
自分のカラダが怖かった。
浴室を出ると、耐えきれずにクルミに電話した。
「クルミ、、、わたし、、、わたし、、ユウトを裏切った、、、」
涙声で告げる千夏に、クルミは飛んできてくれた。
すがるようにして千夏は全てを話した。
クルミはすごく怖い顔をしていた。
どうしてそんなことをしたのと千夏を叱りつけた。
「分からないの、、、ダメだと分かっているのに、、、わけが分からなくなって、気持ち良くなって、、、でもサレそうになって、ユウトを思い出して、絶対ダメだって、逃げて来たんだよ、、、」
「でも、キスしたんでしょう、フェラもして、他の男のザーメン飲んで、イカされて、、、完全に浮気だよ!」
「わたし、全部ユウトに話す、、、許してくれないかも知れないけど、謝ってみる、、、ユウトに謝りたい、、、」
クルミの答えは冷たかった。
「千夏、、、ユウト君と別れなさい、、、」
「えっ、、、どうしてそんなこと、、言うの?わたし絶対にイヤだ、、、」
「ユウト君は優しいから許してくれるかも知れない、、、あなたはそれで満足かも知れない、、、でもユウト君はこれからずっと、千夏とキスを、セックスをするたびに、千夏とその男がシタことを思い出すんだよ、、、結婚しても、子供ができても、、、ユウト君は心の奥で苦しみ続ける、、、」
その通りだ、、、
謝ることなんて自己満足にしか過ぎない、、、
わたしはなんて愚かなことをしてしまったのだろう、、、
わたしが身を引けば、ユウトはきっとわたしよりもずっと素敵な人に巡り逢って、苦しむことなく幸せな生活を過ごせる、、、
でも身勝手だと分かっていても、ユウトを失いたくない、、、
「イヤだ、、、わたし、、、絶対にユウトと別れない、、、ユウトの傍にいる、、、」
「じゃあ、ユウト君に話すのはやめなさい、、、このことは全て忘れるの、、、あとはわたしが話をつける、、、」
「どういうこと?」
「その村井とかいう男が、これをネタにカラダの関係を迫ってきたらどうする気?周りに言い触らされたらどうするの?」
「あっ、、、」
迂闊だった、、、
そこまで考えが回らなかった。
改めて自分の愚かさに気付く。
「でも、、、最後の一線だけは守れて良かった、、、でも千夏、もう二度とこんなことはダメだからね、、、」
本当にわたしは最後の一線を守れたのだろうか?
わたしは気持ち良くされ、イカされてしまった、、、
今は後悔しかない、、、
ユウトへの隠し事は辛いが、絶対に離れたくない、、、、
「わたし、ユウト以外の男の人とはもう二度とお酒を飲まない、、、ユウトには言えないけど、死ぬまでユウトに償いをする、、、」
「それでいいわ、、、とにかくあとはわたしに任せて、、、」
「クルミ、ゴメンなさい、、、それに、本当にありがとう、、、」
「まだ、うまくいくと決まった訳じゃないんだからね、、、それに、、、いつか借りは返して貰うから気にしないで、、、」
そう言うクルミを心から感謝しながら、全てを託した。
つづく
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