リクが言いよどみながら、ある提案をしてきた。
このショップの中で10分だけ相手を交換しないかと。
お互いに嫌がることはしない。
目の届く範囲で行動する。
一人でもいやだと感じたら、その場で終わりにする。
もちろん話をするだけで構わない。
ナナミは頬を染め、チラチラとユウトを伺っている。
二人が刺激を求めているのは明らかだった。
そんな二人にユウトも刺激を受ける。
リクがいやらしい目ではなく、マキに対して憧れの感情を抱いているらしいことにも好感が持てる。
マキもそのことに気づいているように思える。
少なくとも、イヤな感情は持っていないはずだ。
「俺は構わないけど、マキは?」
「話をするだけなら、、、いいかな、、、」
マキも美少年の提案に刺激を覚えたようだ。
ユウトの腕をつかんだ手のひらが汗ばんでいた。
マキもドキドキしてる、、、
「じゃあ、決まりだな、、、」
ユウトの応えに二人の表情がほころんだ。
ルールを確認して相手を交換して距離をとる。
6メートルほどか、これなら何かがあっても、すぐに対応出来るはずだ。
ナナミは大学一年だった。
しかも学部は違うが同じ大学だった。
現役だから俺たちより歳はひとつ下になる。
リクは来年受験で同じ大学に入学するはずだと断言した。
二人はかなり優秀ということだ。
そしてナナミはユウト達が同じ大学の医学部と知ると更に瞳を輝かせた。
上品に整った顔立ちに清楚な雰囲気に溢れているが色気も感じさせる。
そしてナナミは思っていたよりもずっと積極的だった。
ユウトに対する好意を隠そうともせずにユウトの腕に触れながら、しきりに話しかけてくる。
ユウトとマキの関係を聞き出そうとする。
ユウトは応えながらもマキが気になってしょうがなかった。
二人はいつの間にか打ち解けて、マキは楽しそうに受け応えをしている。
胸に嫉妬の炎が灯る。
年下の美少年がマキをオンナとして男の目で見つめているのがはっきりと見て取れる。
マキだってそれに気づいているはずだ。
つづく
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