会計を済ませるとアベックが声をかけてきた。
見るからに初々しさを感じさせる学生らしいカップルだ。
二人とも今どき珍しい黒髪だった。
まあ、俺たち二人もそうだけど、、、
実は買い物中からこの二人には気づいていた。
可愛い顔立ちをした二人が、恥ずかしそうにチラチラとユウトたちを盗み見して、何か話をしていた。
初なカップルに見えた。
イヤな気はなぜだかしなかった。
突然の声かけを丁寧に詫びながら、少しだけでもいいので話をしたいと言ってきた。
そして決して怪しい勧誘などではないと強調していた。
二人の世間ずれをまるで感じさせない雰囲気に危険はないだろうと了承することにした。
マキを見ると黙って頷いてくれた。
人気のない場所へと移動する。
男は165程の身長で小柄だったが、驚くほどの美形だった。
美少年といっていい。
女の方が年上なのか、落ち着いた雰囲気がある。
彼女も負けないぐらいの美形でスタイルもいい、、、
背は彼氏より少し低いくらい、若いわりに色気がある。
まあ、マキには及ばないが、、、
互いに簡単に自己紹介を済ませ、話を続けた。
リクとナナミは交際三年目で、近頃マンネリを感じるようになり、刺激を求めてこのショップに来た。
買い物をして帰ろうとしたとき、ユウトとマキが目にとまった。
二人には理想のカップルに見えたらしい。
二人から目が離せなくなり、互いにかあのような恋人同士になりたいと言っていたらしい。
君たちよりずっと交際期間は短いんだよと伝えると、リクは驚き、ナナミは頬を染めた。
それを見て,この子は見かけによらず、欲望が
強いとユウトは見抜いていた。
付き合いが長くないと聞いて、セックスやりまくりを想像したに違いない。
自分たちがそうだったように、、、
まあ、それも当たっているけど、、、
二人はとても感じが良かった。
話が少したどたどしいところも、場慣れしていないことを感じさせ、好感が持てる。
話しているうちに打ち解け合うことが出来た。
マキも初めの緊張もほぐれ、笑みをこぼしながら会話に加わっていた。
つづく
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