「マキはアバズレなんかじゃない、千夏さんこそそうじゃないか、好きにするってこういうことか!」
ユウトはスマホの写真を見せた。
千夏はまっ青になった。
「これ、、、これも、、、アイツが、、、送ってきた、、の?」
やはり思い当たることがあるようだ。
覗き込んだクルミが声をあげる。
「ヒィ、何これ?千夏、話が違うよ、、、こういうことは一切ないって、、、マットと肉体関係は無いって言ってたじゃない、、、」
「だって、言えるわけないじゃない、、、でもわたし、あんなヤツ、、好きだと思ったことなんて一度だって無いから、本当に!」
そうか、クルミ騙されていたのか、、、
「千夏さん、、、俺、好きでもないヤツとこんなことをする方がずっと気持ち悪いよ、、、吐き気がするぐらい、、、」
「違うよ、、、そうじゃなくて、、、わたしは本当はユウトとしたくて、、、出来ないから、ユウトとシテると思いながら、、、」
「ウソはもういいよ、、、中出しとか、このクソオトコの赤ちゃん欲しいとか、、、もう、無理だって千夏さんだって分かってるだろう?諦めてくれ、、、本当にサヨナラだよ、千夏さん、、、」
「何なの、、、その話、、、」
「隠し撮りされてた、、、アイツ、、、それをユウトに送られた、、、でもそれだって本気じゃなかった、、、雰囲気に流されただけ、、、」
「じゃあ本当なんだね?そんなこと口にしたら絶対にダメなことぐらい、、、分かるよね?」
「だって、訳が分からないぐらい気持ちよくされて、、、後で、すごく後悔した、、、体をいっぱい洗って、泣きながら心の中でいっぱいユウトに謝って、、、すぐにあんなヤツと別れた、、、本当だよ、、、」
「千夏、、、もう遅いよ、、、そんなことをしたら、、、ユウトと結婚なんて出来るはずないよ、、、諦めよう、、、」
「イヤだ、わたしはユウトと結婚するって決まってるんだから!もう二度とこんなことしない、、、アイツとも本当に別れたし、さっきのこともウソ、、、絶対に浮気なんてしない、、、ユウトにもして欲しくない、、、幸せにするから、約束するから、、、お願い、ユウト、、、そんなこと言わないで、、、わたし、ユウトが居ないと生きていけない、、、」
千夏の瞳から涙が溢れていた。
「違うよ、千夏さんは本気だった、、、マットの子供を本気で妊娠するつもりでいたんだよ、、、俺の身代わりだったら、ナマでする必要なんて全然ない、、、俺とだってシタこと無いんだから、、、千夏さんが後悔したのはマットにつれなくされたからだよ、、、乗り換えようと思っていたのに当てが外れたから、、、急に怖くなって、俺に逃げ込もうとしただけだよ、、、あの録画を見てハッキリとわかった、、、」
「違う、、、それだけは、、、絶対に違う、、、」
ユウトの心はひとつも動かない。
千夏はウソだらけで何一つもう信じられない、、、
弱々しくしか否定出来ない千夏の肩を抱き、クルミが慰めるように声をかけた。
「今日は帰ろう、、、千夏と一緒いるから、、、二人でよく話し合おう、、、」
そう言うとクルミはユウトを見つめてきた。
表情はいつものクールなクルミだったが、瞳は熱く燃えていた。
クルミはひょっとして、本気で俺の愛人に、、、
まさかな、、、でも一言も否定することは無かった。
クルミには裏切られたが、千夏に対するような嫌悪感は無い。
初めて俺の腕の中でオンナの歓びを知ったときの目をしてる。
マキという存在が無かったら、もう一度関係を結んでしまいたくなるカラダをしていた。
それを求めている瞳だった。
でもそんなことは有り得ない、、、
「クルミさん、、、ヤツがネットで拡散するかも知れない、、、それに脅迫だって、、、手はうっておいた方がいいと思う、、、買春させられた女の子もいるらしい、、、」
もうしているのかも、、、
考えたくも無いが、、、
「わかった、ありがとう、、、ユウト、なんとかしてみる、、、」
「危険なことは絶対にダメだからね、、、」
困ったことがあったら俺に、、、
だが、絶対に口にしてはいけない言葉だと分かっていた、、、
「うん、分かっているよ、、、」
クルミの瞳が今度は潤みだす。
やっぱりクルミはまだ俺のことを、、、
クルミは最後にマキに視線を送り、千夏を抱えるようにして去って行った。
千夏は壊れたレコーダーのように、信じてとわたしは悪くないと繰り返し弱々しく呟いて
いた。
自分としっかり向き合って立ち直ることを祈ることしか、もうユウトには出来なかったし、する気も無かった。
マキが横から抱き付いてくる。
「ごめん、、、巻き込んじゃったな、、、」
「ううん、いいの、、、」
「千夏さんの言ったことなんか気にするなよ、、、俺はそんなこと少しも思ってない、、、」
つづく
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