ユウトはやり切れない気持ちになっていた。
無性にマキに逢いたかった。
マキはすぐに電話に出てくれた。
「どうしたの、ユウト?」
「いきなり、ごめん、、、マキの顔がどうしても見たくなって、、、」
「ううん、すごく嬉しいよ、、、わたしもユウトに逢いたいなって思ってたんだ、、、でも、何かあったの?」
「うん、、、ちょっとね、、、」
「ねえ、、、わたしの部屋、来る?」
今までは断ってきた。
過去の千夏との同棲があったせいで、何となく気がひけていた。
でもそれも、先程の千夏を見て、吹っ切れていた。
「うん、いいかな?」
「もちろん、、、途中まで迎えにいく?」
「大丈夫、部屋で待ってて、、、すぐに行くよ、、、」
そんな面倒はかけたくない。
何度も送って場所は知っている。
「うん、、、待ってるね、、、」
しかし、マキはマンションの入口で待っていてくれた。
派手ではないがかなり立派なマンションだ。
マキが嬉しそうにユウトの腕を取り部屋へと招き入れてくれる。
3LDKの間取りは豪勢で広く、それでも女の子らしい装飾が施され、清潔感に溢れていた。
マキはご機嫌だった。
「すごく嬉しい、、、わたしドキドキしてるんだ、、、ユウトが来てくれて、、、いくら誘っても来てくれなかったし、、、わたし、この部屋にはユウト以外の男は入れないって決めてたんだよ、、、」
「本当に?」
「本当だよ、、、ユウトにウソなんか言わないよ、、、」
ウソばかりの千夏、、、
マキは違う、、、
マキを抱きしめる。
「ありがとう、、、そばにいてくれて、、、」
「さっきも言ってたけど、、、何があったの?」
優しいマキの瞳を見つめ覚悟を決める。
「マキ、、、話を聞いてくれるか?」
二人の未来のためには避けて通れない道だ、、、
マキに愛想を尽かされるかも知れない、、、
それでも俺は話さなければならない。
「うん、、、わたしも聞きたい、、、ユウトのこと、何でも知りたいから、、、」
ユウトは全てを語り始めた。
つづく
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