あまりの剣幕に、千夏は急に猫撫で声に変わる。
「ねえ、、、じゃあ、いきなりは無理でも、最初から少しずつ、二人でやり直そう、、、きっとそれなら大丈夫、、、私たち愛し合っているんだから、、、」
「瓦礫の上には何も建てられないよ、、、千夏さんのこと、もう愛していないんだ、、、俺には大切な人がいる、、、」
マキの飾りのない笑顔が浮かぶ。
「あのオンナね、、、あの二股オンナ、、、淫乱のくせに、、、あんなオンナ、ユウトにふさわしくないよ!」
まるで病気のように千夏の表情は変わる。
何もマキのことを知らないくせに、、、
自分のことを棚に上げて、、、
マットに自ら望んで中出しをさせて、子供ができてもいいとまで叫んで、、、
それなのに俺を愛している?
セックスを盛り上げるためのウソ?
それだけセックスを楽しみたかったということじゃないか!
お前こそ、淫乱オンナじゃないか!
マキを侮辱する言葉に、思わずそう言い返す。
「それは、、、でも、わたし淫乱なんかじゃない、、、許してユウト、、、どうしてあんな事をしたのか、、、今は、分からないの、、、わたし、おかしくなってる、、、助けて、ユウト、、、」
「マットでも他の男にでも助けて貰えばいい、、、俺はこれから用事があるんだ、、、もう二度と逢わない、サヨナラ、千夏さん、、、」
踵を返して歩き出す。
「イヤだ、ユウト、わたしを捨てないで、、、」
千夏がついてくる。
黙って歩き続けるユウトの袖をつかんで離さない。
「離せ、、、マキは純粋で、素直な、すごくいい子だ、、、千夏さんとは違う!」
「騙されているんだよ、ユウトは!どうして分からないの!」
「騙そうとしたのは千夏さんだ、もうついて来ないでくれ!」
つづく
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