女は見るからに有閑マダムといった感じで、態度にも横柄なところが見受けられた。
厚化粧ではあるが、それなりの美人で体型もかなりのグラマーだった。
だが目の前にいる若々しいはち切れそうなマキのスタイルの良さにに嫉妬を覚えたのか、小娘のクセにという蔑んだ表情を浮かべていた。
そんな女に監視員が事情を話すと、急に態度を改め、ユウト達に平謝りをしてきた。
どうせ道ならぬ関係なんだろう。
問題になって、大事にでもなったりしたら困るといったところか、、、
コウジとやらも叱りつけ、無理やり形ばかりの謝罪をさせて、他のプールサイドへと移動していった。
監視員はやれやれといった顔をして、ユウト達にまた何かあるようだったら、遠慮無く声をかけて下さいと言ってくれた。
二人は気を取り直してチェアーに戻った。
マキはずっとユウトを見つめていた。
「ごめん、俺がそばに居なくて、、、」
「ううん、、、ユウトはやっぱり、いつもわたしを助けてくれるんだね、、、あの時だって、、、わたし、高校の時のこと、思い出してた、、、」
「そんなことも、、あったな、、、」
あれは少し違うと思いながら、口にはしない。
これからも俺は全力でマキを守る。
それでいい、、、
「あの時だって、ユウトがケンカを止めてくれなかったら、もっと大事になっていたと思う、、、そしたら、絶対、わたしも処分されてた、、、だから、ユウトがやっぱり助けてくれたの、、、わたしのことを、、、」
そうかも知れないな、、、それなら、良かった、、、
「それにしても、最低なヤツだったね、、、わたし、気持ち悪かった、、、」
「本当だな、、、でも忘れよう、、、せっかく今夜は俺達の特別なデートなんだから、、、」
「うん、そうだね、、、わたし、幸せだよ、ユウトがいつも守ってくれるから、、、さっきのユウトもすごくカッコよかった、、、」
マキがユウトの肩に頭を寄せてくる。
ホテルの部屋や先ほどの食事の話をしながらドリンクを飲む。
心地よい酔いが二人をつつむ。
「ねえ、ユウト、、、夕方を過ぎるとカップルしか入れない屋内プールが奥にあるんだって、、、ちょっと行ってみない?」
「なんか、面白そうだな、、、行ってみようか?」
「うん!」
マキが腕を絡め、無を押し付けてくる。
さっきのことのせいか、殊更に甘えてくる。
「ユウト、、、わたし、こんなに幸せでいいのかな?」
「そうか、、、俺、マキのこと、もっと幸せにしてやりたいけど、、、」
ユウトのそういうところ、すごくイイ、、、
なんでもユウトにしてあげたくなっちゃう、、、
「ユウト、大好きだからね、、、」
「オ、レ、も、、、」
屋内プールは20メートル四方ほどの大きさだった。
チェアーに座っているのを含めると六組ほどのカップルがいた。
プールサイドには、これまた女性の監視員がいる。
思ったほど照明は明るくない。
カップルはそのほとんどが若者たちで、それぞれに間隔をとっていた。
二人はここでもチェアーに座って、辺りを見渡した。
はっきり言って、カップルはみんなイチャついていた。
中には自分たちの世界に浸りきり、熱い口づけを交わしている二人組もいる。
それ以上のことをしているカップルも、、、
つづく
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