二人は泳いだり、水を掛け合ったり、イチャイチャしながらプールを満喫した。
バスタオルを羽織り、プールサイドのチェアーに並んで座る。
ユウトが飲み物を取りに行くことになった。
離れた場所に小洒落たドリンクバーがあった。
マキはアルコール入りのトロピカルドリンクを希望した。
今夜は特別な日だからいいでしょうと、、、
二人はまだ二十歳前だが、ユウトにも異存はなかった。
ユウトが二人分のドリンクを持って戻ろうとすると、マキの横に男が腰掛け、しきりに話しかけているのが見えた。
茶髪で日焼けしたマッチョな男だった。
「いい加減にして下さい、、、もう、わたしに話しかけないで!」
マキの声が聞こえてくる。
胸を両腕で隠すような仕草をしている。
ユウトは急いで戻ろうとした。
マキがユウトに気づき、立ち上がった。
「ユウト、来て!」
手を振ってユウトを呼ぶ。
水着からはみ出しそうな乳房が揺れる。
男がニヤけながら、それをガン見している。
ダメだよ、手を振っちゃ、、、俺の、、、
マキのオッパイを男が見てるって、、、
心に思いながらマキの前に立つ。
「俺の彼女に何か用ですか?」
男は30前か、、、背はそれほど高くはないが、それなりのイケメンで歯が異様に白い。
それが返って下品さを感じさせるホストクラブにでも勤めていそうな男だった。
「別に、、、かわいい子がいるなって、、、ちょっと話したいと思っただけだって、、、」
「この人、迷惑だって何度も言ってるのに、、、夜抜け出して二人で逢わないかとか、連絡先を教えろとか、すごくしつこいの、、、」
「いいじゃねえか、それぐらい、、、なあ、彼氏さん、、、二時間ぐらい女を交換しねえか?俺の女も少し年増だけど、いいオンナだぜ、、、」
何を言ってるんだ、この男は、、、
アタマがいかれている、、、
年上だがそんなことはもう関係ない。
「冗談はよせ、、、もう俺の彼女に近づくな、、、失せろ、、、」
怒りがこみ上げる。
周りのカップルがこちらを見ている。
「そんなにリキむなよ、、、俺の方が、そのエロいネエちゃんをもっと気持ちよくシテやれるぜ、、、」
ガマンの限界だった。
前に出ようとするユウトをマキが押し止める。
「ダメだよ、ユウト、、、」
そのとき後ろに立っていた女性が割って入ってきた。
プールの監視員だった。
厳しい表情で男に声をかけた。
「全部、聞いてましたよ、、、これ以上、問題を起こすならホテルから出て行って貰いますよ、、、それからこれから先、出禁にさせていただきます!」
男はさすがに顔色を青ざめさせて、立ち尽くしていた。
さっきまでの威勢はどこに行ったのか、適当な言い訳を口にし始める。
本気じゃ無かった、冗談のつもりだった、、、
そこへ40ぐらいの女性がやって来た。
「コウジ、どこに行ってたの?ずっと探してたんだから、、、、どうしたの、、、何かあったの?」
女性はようやく、異様な雰囲気に気づいたよ
うだった。
つづく
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