レストランを出て自分から腕を組んでいった。
「いい?」
と尋ねると
「もちろん!」
と応えてくれた。
すごく幸せ、、、
もうダメ、、、わたし、ユウトのこと好き過ぎる、、、
散歩をしながら飲み物を買って、通りがかりの公園のベンチに二人並んで腰を下ろす。
マキはユウトの肩に頭を預けるようにして想いを告げ始めた。
三年前、ユウトに振られたあとも、どうしても忘れることが出来なかった。
でもこのままではユウトが振り向いてくれるはずが無いと気づいて、マキは自分を変える決心をした。
まずは習慣を改め、規則正しい生活を送るようにした。
異性関係はすべて清算し、関係を断った。
ユウト以外の男とはデートもしないと心に決めた。
そして必死になって勉強にうちこんだ。
ブランクは長く、なかなか成果は出なかったがユウトと同じ大学に、同じ学部はムリとしても入学するために頑張った。
ユウトの傍に居るだけでいい、、、
その一心で寝る間も惜しんで勉強した。
成果が出ないことに心が折れそうになった自分を支えてくれたのは、学校で見かけるユウトの姿だった。
結果は報われ無かった。
マキはいっぱい泣いてしまった。
でも諦める気はなかった。
1年間予備校に通って必死に頑張った。
周りの男達に何度も声をかけられ誘われたが、一切相手にせず勉強に集中した。
そのかいがあって、成績は伸び、こうして医学部に入学することが出来た。
家族もそんな娘のことをすごく歓んでくれている。
「全部、ユウトのおかげなんだよ、、、合格出来たのも、、、自分を変えることが出来たのも、、、」
「そんなこと無いって!マキが頑張ったからだよ、、、マキって、本当にスゴイよ、、、」
優しくユウトが頭を撫でてくれる。
すごく気持ちいい、、、
「ううん、わたし、ユウトに振られたけど、、、今考えると、、、振られなかったら、わたし変われなかった、、、きっとあのまま、イヤなオンナになっていたと思う、、、だからユウトはわたしの恩人、、、」
「マキは本当に心が広いな、、、それにすごく優しいよ、俺なんかよりずっと、、、」
「そんなこと無い、、、ユウトはわたしの理想なの、、、本当に今でもユウトが好き、、、ううん、前よりもずっと、大好き、、、」
「俺なんか、、、そんなたいした男なんかじゃないのに、、、でも、、、本気なのか?」
つづく
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