ノンジャンル 官能小説

「グシャ。」
妻がテーブルの上の林檎を握り潰して言った。
「なんか急に腹がたってきた。」
巨人の握力は尋常じゃないのだ。
「どうしたの。びっくりさせるなよ。」
と僕が言ったら、
「だって外商にあんた若い社員いる訳無いわよ。きっとあの店は、外商のベテラン社員を守る為に、どうでもいい社員を派遣したのよ。」
と、言ったから、
「俺達巨人は平気で殺すから、仕方無いよ。でも掘り出し物だったじゃないか。寸法測るくらいなら、若い子のほうがいいよ。なんか新入社員の頃思い出したな。」
と、僕が言ったら、
「そうね。私あなたのプラス思考に何度も救われた。やっぱりあなたと、結婚して良かった。」
と言ったので、
「珍しいな。セックス以外でそのセリフ。」
と、僕が言ったら、二人は大爆笑したのである。

そして二人は、思い付いたように、目が合い、同じ事を考えている事を確信して、再び大爆笑したのだった。
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