わたしは明るさを取り戻した。
いや、以前よりもずっと毎日が楽しい。
前みたいに5人ではないが、ルミナを誘って3人で昼食を取るようになった。
本当はユウトにお弁当を作ってあげたい。
けれど、わたし達は恋人になったわけではないから、それはガマンした。
周りに誤解されたくないし、今のままでわたしは充分だ。
親友としていつも傍に居てくれて、寂しいときには恋人になって心とカラダを癒してくれる。
ユウトに抱かれると、カラダがバラバラにされると思うほどイカされて、このままずっとこうしていたいと思ってしまうけれど、ユウトを束縛したりしないと心に決めている。
本当の恋人になりたい気持ちが無いと言ったら嘘になる。
でもそうなったら、、、
ただの男と女になったら、、、
何が起こるか分からない、、、
つまらないことでケンカして、恋人同士だから許せなくて、離れ離れになってもう二度と戻れなくなってしまうかも知れない。
親友同士なら、そんなことにはならない、、、
互いに相手が出来て、もし結婚したとしても傍に居られる。
ユウトとは一生、離れ離れにはなりたくない。
だから今のままが一番幸せだとはっきり思う。
とは言っても、すぐにユウトに抱かれたくなってしまう。
ガマンするようにしているけど、どうしても耐えられなって、ユウトを熱い視線で見つめてしまう。
ユウトも同じみたいで、時間が取れるときはお互いどちらかの部屋に行って、メチャクチャにセックスしてしまう。
わたしがギブアップするまで、、、
そのせいか、みんなにキレイになったとか、大人っぽくなったと褒められるようになった。
女の子たちに、なんかマユってすごくエロいと言われたりもする。
男子からも告白されることも増えたが、もちろん相手になどしない。
他の男のことなど、まるで頭には無い。
ユウトがすべてだった。
ルミナはマユの変化に気付いていた。
つい最近までふさぎ込んでいたのに、以前のような明るさを取り戻している。
それでいて落ち着いた余裕を感じさせ、大人びた雰囲気すら漂わせている。
気付かれないようにはしているが、時折ユウトを見る目は色気が滲み、自分の男を見つめるようだった。
しかも何もかも満たしてくれる男に対するソレだった。
そしてそんなときには、ルミナが息苦しく感じるほどマユからは色気が発散されていた。
ユウトとマユの間に何かあったのかも知れない、、、
ルミナもずっと以前からユウトのことが好きだった。
そして、カナコとマユがユウトに恋していることも初めから知っていた。
ルミナは自分に自信があった。
その容姿もオンナとしても、何もかも、、、
しかし、行動を起こそうとしたとき、突然、カナコが周りを顧みることなく、猛烈なアタックを開始した。
そして意外にもそれは功を奏し、二人は交際を始めてしまった。
でもルミナは焦らなかった。
この薄っぺらい女はいつかはぼろを出す、、、
そう思っていた。
そしてもう一人のライバル、、、こちらは手強いと思っていたのに、意外にも他の男と付き合い始めた。
マユは優しい、人に気を遣う性格だ。
おそらく友人のために、自分の未練を断つために他の男と付き合うことなどすぐに分かった。
マユはわたしに負けないぐらいユウトのことが好きなはずなのに、、、
しかも、よりによってあのクズ男と、、、
あの男はわたしのことも何度も誘ってきた。
わたしは初めから、それなりに目立っていたわたし達女子3人を狙っているのではないかと疑っていた。
しかもあわよくば3人とも、、、
それだけナオキからは下品なものを感じ取っていた。
気付かないとでも思っているのか、わたしの胸やお尻をいやらしい目で見ながら、口説いてきた。
わたしはもちろん、一欠片も相手にしなかった。
こんな男は少しでも心をゆるしたら、人の心に平気でしかも土足で入り込んでくる。
わたしは正真正銘のバージンだが、そんなことはすぐに見抜いていた。
そして、他の二人の処女はまんまとこの男にしてやられた。
別にわたしは知らん顔をしていたわけではない。
二人にはちゃんと忠告した。
あの男には気をゆるしたらいけないと、、、
信じてはいけないと、、、
二人はどうやら本気に取り合わなかったらしい、、、
だから、こんなことになった、、、
正直、今更、後悔してもと思ってしまう、、、
可哀想とは思うけど、、、
あの男はマユと付き合い始めたとき、御丁寧にも、わたしのところにやって来た。
お前を誘ったのは全部、冗談だったと告げていった。
マユにも、それはちゃんと言ってあると、、、
はったりだとすぐに見抜いたが、わたしのことは諦めた態度に、正直、すっきりした。
そして、まるで自分のことをクズで小心者だと宣言する脳の軽さに憐れみを覚えるほどだった。
そして、やはりこんなことが起きてしまった。
でも、いくらなんでも、カナコがユウトを差し置いて、あのクズのナオキに処女まで捧げるノータリンだとは思ってもいなかった。
そのうえ、浮気セックスにはまって、関係を続けるなんて、、、
バカな女だ、、、
恋人を騙してフェラしまくり、クンニされまくりの相手と話をしながら、自分の作ったお弁当を毎日ユウトに食べさせるなんて、どれだけ歪んでるんだ、、、
もうサイコの世界だ、、、
いくら優しいユウトだって、そんな女を許すわけがない。
それなのに、このアタマの中がメルヘン女は復縁を狙っているらしい、、、
開いた口が塞がらない、、、
まあ、みんな好きにしたらいい、、、
みんな勝手に自爆していくだけだ、、、
マユにしても、今はわたしを止める権利など無いはずだ。
急ぐ必要はない、かえって慌ててはいけない。
マユとのことだって、何かがあったとしても負ける気はしない。
ユウトとの関わりはわたしよりも長いが、所詮、マユもキズモノだ。
あのクズとやりまくっていたことを自分から口にしていた。
バカな女たち、、、
わたしだけがユウトに処女を捧げることが出来る。
そして、ユウトしか男を知らないまま、ずっとユウトと過ごすことが出来る。
それが出来ない女にはユウトの傍にいる資格なんて無い。
もうそれとなくユウトへのアピールは続けている。
感触は悪くない。
もう少し大胆になってみよう。
ルミナはそう心に決めた。
つづく
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