朝、目を覚ますとすでに千夏は横にはいなかった。
短い睡眠時間だったが、何故か体はスッキリとしていた。
ダイニングに行くと千夏が既に朝食の準備をしていた。
「おはよう、、、」
「うん、、おはよう」
「大丈夫?」
千夏も余り寝ていないはずだ。
「うん、、、でも、恥ずかしい、、、」
「どうして?」
「だってぇ、、、」
千夏がしがみついてくる。
あんなにシタのに、ユウトはそれだけで反応してしまう。
そして千夏はそれをすぐに感じ取る。
「ユウトって、、、やっぱりスゴイ、、、大好きだよ、、、」
「嬉しいけど、誰かと比べてる?」
「もう、イジワル、、、わたしがユウトだけって知ってるくせに、、、」
「ゴメン、、、つい、、、俺も大好きだよ千夏、、、」
軽い口づけをして微笑みを交わす。
本当に幸せ、、、
「オッホン、、、」
わざとらしい咳払いをしてクルミがやってきた。
慌てて二人は離れた。
「おはようございます、、、朝っぱらからお熱いことで、、、ああ、いい匂い、、、悪いわね、朝ごはんまでご馳走になって、、、」
「気にしないで、、、みんなで食べよう、、、」
三人で朝食をとる。
「クルミ、今日、大学、大丈夫?」
「うん、まだ少し頭痛いけど、、、昼からだから、、、着替えもあるし、部屋でシャワー浴びていけば大丈夫、、、」
「クルミ、飲みすぎだよ、、、ちゃんと眠れた?」
やはり気になる、、、
顔が赤らむ。
「うん、もうぐっすり、、、でも、わたし、昨日なにかしたの?もしかして、ヘンなことでも言った?」
「ううん、、、それは大丈夫、、、ねえ、ユウト?」
やはり覚えていないようだ。
まあ、あれだけ酔っていれば、そうかも知れない、、、
ここは無かったことにしたほうが無難だ。
「うん、そだねー」
「プッ、なにそれ、、、でも、良かった、、、確かに昨日は飲みすぎかも、、、気をつけよっと、、、」
クルミは昨夜のいとなみも気づいていないようだ。
二人は安堵した。
「ご馳走さま、、、わたし、帰るね、、、いろいろありがとう、、、楽しかったよ、、、」
「あっ、待ってよ、、わたしも出るから、一緒に行こうよ、、、」
千夏は準備のため席を外した。
「ユウト君はいいの?」
「俺も昼から、、、」
「そうなんだ、、、」
クルミがジッとユウトを見つめてくる。
いったい何なんだ?
「クルミ、行くよ、、、」
玄関から千夏の声がする。
「うん、今、行く、、、」
立ち上がったクルミがユウトの耳元に口を寄せてくる。
「ユウト君、、、昨日、すごかったね、、、わたし、羨ましかったよ、、、」
あっ、やっぱり聞かれてた、、、
ハズい、、、
そして頬に柔らかい感触が、、、チュッ、、、
えっ、これって、、、唇、、、
「好きだよ、ユウト君、、、今度、内緒で二人だけで逢おうか?一度だけエッチしよ、、、連絡するね、、、」
逃げるようにクルミが去っていく。
「お待たせ、、、」
「遅いよ、クルミ、、、ユウト、行ってくるね、、、」
「ユウト君、行ってきまーす、、、」
「ああ、いってらっしゃい、、、」
玄関にはもう既に二人はいなかった。
頬に残るクルミの唇の感触、、、
ユウトは激しく勃起していた。
昨日の夜よりも、、、
もう、、、どうせまたクルミの悪いイタズラだろう、、、
それにまだ酔いが残っていたのかも知れないし、、、
スケベ心を振り払い、そう思い直す。
案の定、しばらくしてクルミからのメールがきた。
『ごめんね、冗談です、、、千夏には内緒にして下さい、、、忘れてね、、、やり過ぎでした、、、本当にゴメンなさい、、、』
やっぱりな、、、
ホッとしたのに、、、
勃起が治まらない。
いつものクルミとは何か感じが違う、、、
千夏とのセックスを聞いて、クルミは俺を想像したのだろうか?
想像したとしても、それだけか?
いいや、、、きっと、、、クルミは、千夏と自分を入れ替えて、、、
まさかな、、、
耳を塞いでいたかも知れないじゃないか?
クルミの眠っていたベッドで横になる。
クルミの匂いがする、、、
そして、気のせいか、微かにオンナの匂い
も、、、
更に男が反り返る。
ユウトはオナニーをした。
あんなに千夏とシタのに、昂ぶる感情が治まらない。
心の中でクルミを裸に剥いて、思いきり抱いた。
クルミの名を呼び、思いきり射精した。
それで終わりにした。
全てを忘れ、今まで通りクルミと接するようにした。
つづく
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