月日は流れ、ユウトは大学生になっていた。
地元を離れた国立大学。
千夏と同じ医学部だった。
一年先に入学していた千夏は自分のことのようにユウトの合格を歓んでくれた。
千夏の実家はかなり大きな個人病院だ。
一人娘の千夏が当然、跡を継ぐことになる。
内科、小児科、産婦人科を兼ねた、歴史もある、地元でも名の通った病院だ。
二人の交際はお互いの両親も認められていた。
初めての夏休み、ユウトは千夏の実家を訪ね、同棲の許可を貰った。
千夏の母は諸手を挙げて賛成してくれ、渋る父親を説得してくれた。
なにせ例の件以来、ユウトは千夏の母のお気に入りだ。
独り暮らしよりずっと安心でしょうの一言で父親は折れた。
家賃、その他の生活費を全て折半することもその場で話をした。
歓びに浮き立った千夏は早めに夏休みを切り上げ、ユウトと大学へと戻った。
まるで新妻のようにユウトの引っ越しの差配をして、甲斐甲斐しく新居の配置換えをした。
新居といっても、元々、千夏の住んでいた2LDKの間取りのマンションの部屋だ。
初めからユウトとの同棲を考えて選んだと千夏は恥ずかしそうに教えてくれた。
一緒に部屋を探してくれた母はきっと気づい
ていたと思うと頬を染めて話してくれた。
だから、ユウトの引っ越しもスムーズに進んだ。
ユウトの荷物はまだそれほど無かったし、簡単な家具と大きめのベッドを千夏が初めから考えていた一室に運び入れた。
隣の部屋には千夏のベッドがあるが、これからはこのベッドでユウトに抱かれながら眠ることが出来る。
病院を退院したあと、体調が戻った千夏はすぐにユウトを求めた。
あっという間に千夏はオンナの歓びを教えられた。
愛情の溢れるセックス、、、
それでいてお互いを貪り合うような激しい交わり、、、
ユウトは驚くほどタフで逞しかった。
セックスを重ねるたびに益々カラダが更に歓びを覚えていく。
千夏は自分が貪欲なオンナだということをユウトに知らされた。
ユウトに逢えない日は、ユウトを思い、ユウトのカラダを想像して自分を慰めた。
でもこれからはいつでもユウトが傍にいる。
いつでもユウトが欲しくなったら、セックス出来る。
もちろん、それだけじゃない、、、
千夏は幸せを感じていた。
二人の蜜月のような甘い生活が始まった。
ユウトが大学に入って半年が過ぎた。
今日もクルミが二人を訪ねてきた。
クルミも学部は違うが同じ大学に通っていた。
クルミにも彼氏が出来た。
一年先輩の相馬ミツヤという学生と交際を始めていた。
背はそれほど高くはないが、なかなかのイケメンで、穏やかで落ち着いた雰囲気の男だった。
一度だけ紹介を兼ねてダブルデートしたことがあったが、仲も睦まじくクルミとはお似合いに見えた。
交際も順調だと聞いていたが、ユウトは心の奥で、この男の腕の中であのクルミがオンナになる姿を想像するとなぜか寂しいものを感じることがあった。
クルミは以前はよくこの部屋を訪ねてきて、泊まることもあったが、同棲が始まってからは、しばらく足が遠のいていた。
この日は前もってクルミから連絡があり、久しぶりに三人で食事をとることになった。
つづく
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