「ユウト、大好きだよ、、、」
「俺も千夏のこと、大好きだよ、、、」
「もう、いいですか?すみましたか?」
クルミが顔を覗かせイジってくる。
クルミのことも大好きだ、、、
ユウトを連れてきてくれた。
ヘンな夢を見てゴメンなさい、、、
「もう、クルミったら、、、でも、ありがとう、、、」
「おおっ、随分素直なことで、、、ユウト君の前だからかな?」
「ウフフッ、本当にそうね、、、」
千夏の母も、そしてみんなが微笑みに包まれていた。
千夏に逢いに毎日でも来たかったが、そうもいかない。
会長の代行をユウトとクルミが二人ですることになり多忙を極める日々を送っていたからだ。
千夏の穴を埋めることを拒むわけにはいかなかった。
それに病院には面会時間があり自由は利かない。
それでもユウトは出来る限り訪ねるようにしていた。
千夏は無理はしないでとは言ってくれたが、それでもユウトを見ると嬉しさを隠しきれなかった。
ある日、たまたま千夏のリハビリを目にする機会があった。
トレーナーが女性であることにひとまずは安心する。
リハビリとはいえ、やはり他の男に触れられるのはイヤだ。
それにしても千夏のスタイルのよさは際だっている。
手足のギプスは痛々しいが、そんなにピッタリとしたウェアでは無いにもかかわらず、胸の豊かさが、体の動きと共に強調されてしまう。
全身のラインが細身なのにも関わらず、まん丸な良く持ち上がったヒップと高さの際立つ乳房が人目を引きつけてしまう。
そのうえ、あの美貌だ。
中にはいやらしい視線をチラチラと注いでくる男もいる。
男達は想像の中で千夏を裸に剥いているに違いない。
そしてそれはトレーナーの男にもいえることだった。
リハビリ室はガラス張りで、見ているとそういったことが良く分かる。
懸命にリハビリに励んでいた千夏がユウトに気付き、手を振ってくれた。
ユウトはそれに笑顔で応える。
リハビリを終えた千夏が男のトレーナーに声をかけられていた。
爽やかそうなイケメンだったが、まるで女性のトレーナーの目を盗むように近づいてきたように見える。
千夏は明らかに困った表情を浮かべていた。
「それはダメです、、、」
強い口調でそう言っている千夏の傍に行く。
「千夏、どうしたの?」
「ユウト、この人がしつこく連絡先を聞いてくるの、、、」
やはり、そんなことか、、、
こいつ、リハビリ中の患者をナンパかよ、、、
睨みつけているところに千夏のトレーナーが戻ってきた。
「どうしたの千夏ちゃん?」
千夏が事情を説明する。
「柿野くん、いい加減にしなさいよ、、、ジュリちゃんに言いつけるよ、、、先生にも報告するからね、、、」
すごすごと男は引き下がったが、その視線は千夏の胸を何度もチラ見していた。
「気持ち悪い、、、」
千夏が思わず両腕で乳房を覆う。
「ゴメンね、千夏ちゃん、、、アイツ、彼女がいるくせに、こんなことばかりしてるのよ、、、わたしの胸も何気に触ろうとしてくるし、、、絶対にクビにしてやる、、、何かあったら、すぐに声をかけてね、、、」
確かにトレーナーさんもかなり立派な胸をしている。
千夏には負けるけど、、、
トレーナーにはユウトがついているから、後は大丈夫と伝える。
トレーナーは仲が良くて羨ましいわと言って、その場を離れて行った。
つづく
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