「イヤだ、タイチと別れるから、、、ユウトのそばにいたい、、、」
「大丈夫、、、俺たちはずっと友達だ、、、そうだろう?」
ルミナの瞳から涙が溢れていた。
「友達、、、」
そう、もう元には戻れない、、、
「そうだ、、、これからもずっと、、、ルミナ、、幸せになれ、、、」
ルミナの肩に手をやると、ユウトは黙ってその場を去って行った。
タイチが傍に来て、ルミナの肩を抱きしめた。
「俺がルミナを幸せにする、絶対に、、、約束す
る、、、」
ルミナはタイチの胸の中で泣き続けた。
余談になるが、高三になったルミナは妊娠して学校を辞める。
相手はもちろんタイチだったが、当時高一ということもあって、周囲の人々は堕胎をすることを勧めた。
お互いの両親の反対もあったが、ルミナは押し切り、出産した。
タイチが高校を卒業したら一緒になるということで周りを説得した。
ルミナは育児に励み、両親の協力を得て、着々と新たな生活の準備を進めていった。
パートだか仕事も見つけ、まだ同居していないタイチとの幸せな家庭を夢見ていた。
ただ何かと理由をつけて同居を後伸ばしにするタイチに不安は感じていた。
子供の面倒も見ようともしないし、ただ突然訪ねてきてはセックスだけをして帰っていってしまう。
そしてあげくの果てにタイチは他に女を作った。
相手は近所に住む10も年上の人妻だった。
大変な騒動になった。
相手の夫とつかみ合いの喧嘩になり周りの人々を呆れさせた。
それだけではなかった。
タイチは同級生の女子生徒とも関係を持っていた。
挙げ句の果てにタイチは離婚した人妻と手に手を取って駆け落ちをした。
その成り行きに呆然としたルミナには父親に捨てられた子供だけが残った。
最愛の人を諦め、新たな家庭を築こうとしていたルミナの想いは無残にも打ち砕かれた。
ユウトとマユも友人として手を差し伸べたが、ルミナは頑なにそれを拒んだ。
大切な人たちを裏切った罰を受けたんだと言って、ある日突然、行き先も告げず子供を連れて去っていってしまった。
千夏はクルミの家を訪ねていた。
しかし、チャイムを鳴らしても返事が無い。
玄関の鍵が空いているのを不審に思いながらクルミの部屋へと向かう。
部屋の中から声がした。
男と女の声、、、
それも何か艶めいた声、、、
恐る恐るドアを開く。
クルミが男に跨がっていた。
タワワな胸を揺らしてセックスに耽っていた。
「あっ、あんっ、、、ユウトのこと、ずっと好きだったの、、、」
相手はユウトだった、、、
「俺も、、クルミさんが好きでした、、、」
「本当に?千夏のことはいいの?」
「もう、諦めました、、、俺、振られたんです、、、この前も、キスしようとしたら、イヤッて、拒まれて、、、」
違う、、、イヤなんて言ってない、、、
「そうなんだ、、、わたしがイッパイ、慰めてあげる、、、」
クルミがユウトに覆い被さり熱い口づけをする。
「ああっ、んっ、んんっ、、、あん、チュッ、んんっ、あん、あん、チュッ、チュッ、んっ、んんっ、、、」
舌を絡ませあっているのがハッキリと分かる。
長いキス、、、
すごく悔しい、、、
「千夏のことなんか、忘れさせてあげる、、、あん、ああっ、ユウト、スゴイ!」
ユウトが下から突き上げ、クルミが淫らに腰を振り迎えうつ。
「あっ、あっ、あっ、、、ユウト、愛してる、、、誰にも渡さない!ユウトは全部、わたしのもの、、、」
「いやあー!」
千夏は叫んだ。
そして目を覚ました。
ああっ、ここは、、、どこ?
自室のベッドの上だった、、、
ああっ、良かった、、、夢だった、、、
すごい汗、、、かいてる、、、わたし、、、
安心したのもつかの間、あらためて不安が押し寄せてくる。
夢だったのに、すごく怖い、、、
イヤだ、、、ユウト、、、わたし、どうしたらいいの?
千夏は眠ることが出来なかった。
つづく
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