初めのうちは感じていた罪悪感もいつしか薄れていった。
家も近いし、時間が合えばお互いの家族の目を盗んでカラダを重ね合った。
当然、ユウトと逢うことも少なくなった。
ユウトのことが嫌いになったわけでは無い。
以前と変わらず愛している。
だから、自分で慰めるときは必ずユウトを思ってシタ。
正直、ユウトにものすごく抱かれたかった。
思いきりセックスしたかった。
でも、怖かった。
他の男を知ったカラダをユウトに気付かれるのが、、、
だから、その分余計にタイチを求めた。
不思議とタイチとの時は自分をさらけ出すことが出来た。
ユウトの前では恥ずかしくて、口に出来なかった卑猥な言葉も叫んでしまうようになっていた。
その日、二人はラブホでカラダを重ねていた。
ユウトとも入ったことの無い、初めてラブホでルミナは燃えに燃えた。
男と女がセックスだけをする場所。
愛する男を差し置いて、そんな場所に自分は他の男と自ら望んで入り、激しい情事に耽っている。
「オマ○コ、イイッ!ああっ、タイチ、好き!」
「アイツより、イイのか?」
「タイチがイイッ!タイチのセックスが一番好き!」
お互いがギブアップするまで汗にまみれたカラダを絡め合った。
セックスだけじゃない。
二人はまるで恋人同士のようにじゃれ合い、愛を囁き合った。
ラブホを出ると腕を組んだ。
年下の中学生なのに愛おしさが込み上げ、甘えるように身を寄せる。
「今日のルミナ、凄かったな、、、」
「もう、、、恥ずかしい、、、でも、タイチも凄かったよ、、、わたし、こんなにイッたの初めて、、、また、ラブホでいっぱいシようね、、、」
「ラブホ、気に入った?」
「うん、、、だって、、イッパイ声出せるから、、、すごく感じちゃう、、、」
「他の奴と来たらダメだからな、、、」
他の奴、、、ユウトのことだ、、、
カワイイ、、、焼きもち焼いてる、、、
「分かってる、、、タイチだけだよ、、、」
思わず頬に口づけしたとき、後ろに人が居るのに気付いた。
恥ずかしい、、、見られちゃった、、、
しかし、、、それどころではなかった、、、
「やっぱり、ルミナか?」
その声は、、、まさか、、、
ルミナは恐る恐る振り向いた。
そこには、ユウトがいた。
「ど、どうして?」
こんなこと、あるはずがない、、、
慌てて腕を離す。
突然のことに頭が働かない。
「違うんだよ、ユウト、、、これは違うの、、、」
「いいんだ、ルミナ、言い訳しなくても、、、
ホテルから出たところから、ひょとしたらと思って、、、全部、聞こえてきたよ、、、」
ユウトは怒ってはいなかった。
どうしてと思うくらい、、、
でも、すごく寂しそうな顔をしていた。
「じゃあ、、、俺、行くから、、、」
ユウトが行ってしまう。
呆然と立ち尽くしていたルミナは後を追って駆け出した。
「ごめんね、タイチ、、、」
もう、タイチの目など気にしていられなかった。
一番大切なものが両手から砂のようにこぼれていくのを初めて感じていた。
怖い、、、すごく怖い、、、
ユウトに追いつくと両腕をつかみ、アタマを下げた。
怖くてユウトの顔が見れない。
「ゴメンなさい、、、許して、、、わたし、ユウトを裏切ってた、、、」
返事は無かったがユウトは優しくルミナの髪を撫でてくれた。
どうしてそんなに優しいの?
わたし、、、ひどいことしてたのに、、、ひどいことを言っていたのに、、、
「許してくれるの?わたし、もう二度とユウトを裏切らない、絶対に、、、」
「彼のこと、好きなんだろう?」
ウソはつけない、、、
ついたら、、、全部、終わる、、、
ルミナは黙って頷いた。
「でも、ユウトが好きなの、、、ユウトのほうがずっと好き、、、」
「そんなこと言っちゃダメだ、、、周りのみんなが傷つく、、、俺も傷つけられる、、、」
「あっ、、、わたし、、、ゴメンなさい、、、」
あなたのことが一番好きだけど、他の人とセックスしてましたと、わたしは宣言してい
る。
それなのに許して欲しいと、ぬけぬけと口にしている。
わたし、、、カナコと同じこと言ってる。
カナコみたいになるはずが無いと思ってたのに、同じことしてる、、、
「謝らなくていい、、、彼のこと大切にな、、、」
つづく
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