その数日後、生徒会室に入ろうとしていると声をかけられた。
「ユウト君、今いい?」
「あっ、、本宮さん、だよね?」
「うん、、名前、知ってたんだ、、、嬉しい、、、でもどうせならマキって呼んで欲しいな、、、」
あの時とはかなり感じが違う。
言われていた通り、かなりくだけた性格の女子のようだ。
それに、確かに可愛い顔立ちはしているが、妙に大人びた雰囲気がする。
そしてやや小柄な体だが、ニットのベストを着ているせいで、突き上げるような豊満な胸が気になってしまう。
「何か用?もしかしてまたナオキがまた迷惑かけてるとか?」
二人の男は停学処分になっていた。
さすがにあんな騒動を起こしておいて、何もなく終わるはずがない。
「うん、、、まあ、、、少し話したいんだけど、いいかな?」
気は進まないが邪険には出来ない。
「少しなら、いいけど、、、」
「うん、ありがとう、、、ここではなんだから、場所を変えていいかな?」
二人は校庭の裏に移動した。
人気はない。
「ユウト君、あの時はありがとう、、、わたしのこと助けてくれて、、、」
なぜだか潤んだ瞳でユウトを見つめてくる。
ユウトに彼女を助けたつもりはまるで無い。
「俺、何もしてないよ、、、」
「ううん、そんなことない、、、わたし、あの人たちにもの扱いされて、ユウト君の男らしい態度を見て、それに気づいたの、、、わたし、もうあの人たちとは別れる、、、それに二人とも停学中なのに、わたしを誘ってくるんだよ、、、いい加減にして欲しいって感じ、、、イヤになっちゃう、、、」
「そう、、なのか、、、」
それにしても、この言い草、、、
自分のしたことを分かっているのだろうか?
何か自慢しているようにも聞こえてしまう。
確かにこの子はトラブルメーカーかも、、、
「それでね、、、出来たら、ユウト君と付き合いたいなって、、、」
「えっ、なにそれ、、、」
思わず口にしてしまう。
どうしてそうなるのか、、、
噂通りなのか?
それにしても、、、
「ユウト君のこと好きになっちゃったの、、、
わたしを守ってくれたし、、、ううん、本当は前から好きだったの、、、」
「そんな、、、俺はケンカを止めただけだから、、、本宮さんを守ったつもりはないよ、、、」
「それでもいいよ、、、でも付き合って欲しい、、、ダメかな?絶対に後悔はさせないから、、、」
「無理だよ、、、それは、、、」
「どうして?彼女、今はいないよね?」
「そうだけど、、、」
「なら、いいじゃない?あっ、もしかして、わたしのこと浮気っぽいと思ってる?わたし、ユウト君が付き合ってくれるなら、絶対に浮気なんかしないよ、、、」
どこにそんな自信があるんだ、、、
他の男なら浮気するようにも聞こえる。
まるで信用する気などおきやしない。
「お試しでもいいよ、、、何なら、、、初めはセフ
レでもいいよ、、、」
「何言ってるんだ?」
「おかしいな?みんな絶対に食いついてくるのに、、、絶対に秘密にするし、、、自信あるんだ、、、わたし、スゴイよ、、、ユウト君のこと,夢中にしてみせる、、、」
その溶けそうな仕草にほとばしるような色気を感じる。
大人びたカラダをユウトに擦り寄せてくる。
「よせよ、、、」
ユウトは慌てて体を遠ざけた。
「そんなことしたらダメだ、、、本宮さん、自分をもっと大切にした方がいい、、、諦めてくれ、、、俺も今日のことは忘れるから、、、俺には好きな人がいるんだ、、、」
「そんな、、、、わたし、こんなに本気になったの初めてだったのに、、、断られたことなんか一度も無かったのに、、、」
寂しそうに立ち尽くす彼女をひとり残し、その場を離れる。
「わたし、、、諦めないから、、、ずっとユウトのこと待ってるからね、、、」
そんなこと言われても少しも嬉しくない。
本宮の変わり身の早さと積極さには驚くだけだ。
あれだけのことをして、、、
オンナは怖いな、、、
その時、物陰からクルミと千夏が出てきた。
つづく
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