マユが上目遣いにユウトを見つめてくる。
「帰ろうか?」
「うん、、、」
オンナの顔だ、、、
マユもいつの間にか、こんなに色気を滲ませるオンナになったんだな、、、
濡れた唇に目が引きつけられる。
止めるまでシャブり続けてくれる、マユの見た目からは想像もつかない濃厚なフェラチオを思い出し、カラダが熱くなる。
早くマユとシタい、、、
ところが廊下に出ると、男子が言い争いをしていた。
ナオキともう一人は余り話したことの無い同学年の男だった。
そして、傍にはオロオロと戸惑う女子生徒が
立っていた。
何となく大人びた雰囲気の女は上気した表情をして二人を見守っているようだ。
「俺のオンナに手を出しやがって、、、」
「へえー、、、俺のオンナね、、、」
「この野郎、、、ふざけやがって、、、」
二人は胸ぐらをつかみ合った。
「やめて、、、お願い、二人とも、、、」
人集りができた中、必死に止めようとする女がまるでドラマのヒロインめいて見える。
何なんだこれは、、、
一体、何が起こってるんだ、、、
男は確かラグビー部員だったはずだ。
その太い腕がナオキを締め上げる。
バカなヤツだ、、、
どうやらナオキはまた同じことを繰り返しているらしい。
「離せよ、この筋肉バカ、、、お前がオンナを満足させられ無いからだろうが、、、彼女から誘ってきたんだからな、、、」
「ウソよ、そんなこと、、、ナオキが無理やり誘ったんじゃないの、、、酷い、、、」
「このウソつき野郎が!」
「クソが、離せって言ってるだろう、コラ!」
ナオキが遂に男を殴りつけた。
「ひっ、怖い、、、」
マユがユウトの腕につかまり顔を背ける。
周りからは女子たちの悲鳴があがった。
「野郎!」
男がすかさず殴り返した。
威力が違う。
ナオキは吹っ飛び、男は馬乗りになって殴り続けた。
これはマズいことになる。
ユウトは男を後ろから羽交い締めにした。
ものすごい力だったが何とか押さえ込む。
「やめろ、、、これ以上は、、、暴力はダメだ!」
「頼む、離してくれ、、、こいつだけは許せない、、、」
ガタイのいい男が肩を震わせていた。
口の中が切れているのか、血を流している。
「お前のためなんだ、、、もうよせ、、、」
鼻血で染まったナオキがカラダを起こす。
「この筋肉バカのノータリンが、、、もう終わりかよ?」
「何だと!」
「ナオキ、もうよせ!」
ユウトに睨みつけられ、ナオキは黙り込んだ。
「何をやってるだ!」
人集りをかき分け先生達がなだれ込んできた。
先生達が二人を離し、周りの生徒達から事情を聞いている。
すぐに二人は別々に職員室に連れられて行った。
不意に先程の女子がユウトに声をかけてきた。
「ユウト君、ありがとう、、、」
アタマを下げるとジッとユウトを見つめて、二人の後を追って行った。
一体何なんだ、、、
口も聞いたことの無い女子が、どうして俺の名を知ってるんだ?
まあ、お礼は言うか、、、でも俺はたいしたことはしていない、、、
「知ってる子?」
マユが尋ねてくる。
「いや、全然、、、」
「ふーん、、、」
二人は学校を出た。
両親が遅くなるというマユの家へと向かった。
つづく
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