後日、美子から呼び出しがあった。
話はカナコのことに決まっている。
気は進まないが、何かと良くしてくれていた美子をむげには扱えない。
家を訪ねると、その日は美子以外は留守ということで少しは気が楽になった。
美子はその日も美しく、メイクも相まって一段と若々しさを感じさせた。
20代と言っても過言では無い。
細身の躰に、そのスタイルの良さを引き立たせる水色のワンピースを着ていた。
短めの裾は長い脚でありながら、絶妙の色気を漂わせるラインを際立たせ、以外に豊かな胸元とキレイな谷間を覗かせている。
外されているボタンがヤケに気になって、ユウトは目のやり場に困ってしまう。
なにせ以前から美子のことを上品でキレイだと感じていただけに尚更だった。
失礼の無いように気をつけながら話を聞く。
やはりカナコのことだった。
話は娘から聞いた。
全て娘が悪い。
ユウトが許せない気持ちになるのは当然だと思う。
娘の仕出かしたことを何度も詫びながら、けれどカナコはもの凄く後悔しているし、二度と過ちは犯さないと思う。
今すぐとはいかないことは分かっているが、長い目で見て、出来れば復縁を考えて欲しいと言われた。
娘が悪いとはいえ、やはりあんなに落ち込んでいる娘を見るのは親として辛い。
出来る限りのことは母親としてしてあげたい。
それに夫も自分もユウトのことをとても気に入っているから尚更だと言った。
ちなみにナオキのことは以前から気に入らなかったそうだ。
初めから目つきがいやらしかったと感じていたそうだ。
アイツ、、、いくら美子がキレイだからといって、そんな目で、、、
美子の人を見る目に感心しながら、ナオキの節操の無いことに呆れてしまう。
その上、美子の自分への評価が嬉しくもある。
しかし、自分の気持ちにウソはつけない。
カナコとの復縁はあり得ないと告げる。
それでも娘のために美子は食い下がってくる。
ユウトは仕方なくカナコがしてきたことを美子に伝えた。
その生々しい話に美子は黙って耳を傾けていた。
「ごめんなさい、、、知らなかったわ、、、そんなに何度も、、、そんなユウトくんを蔑ろにすることまでしていたなんて、、、その上、バージンまで、、、ユウトくんが初めてだと思ってた、、、」
「俺は、、、その、、カナコとはシテいません、、、」
「そうだったの、、、あの子ったら、、、言い辛いのは分かるけれど、、、それにしても、酷すぎるわ、、、ユウトくん、本当にごめんなさい、、、わたしの教育が悪かったせいね、、、、、それにしても、あの子、、、性欲が強いのかしら?わたしに似たのかな、、、あっ、、、」
ユウトの顔が赤くなる。
美子はそれ以上にまっ赤になった。
「ごめんなさい、、、ヘンなことを言って、、、忘れてちょうだい、、、」
「はい、、、そういうことですから、、、すいませんが、期待には添えません、、、、俺、そろそろ帰りますね、、、」
「そうね、、、でも少しだけ待ってくれる、、、お願い、、、」
美子は部屋を出て行った。
カナコは普段から親子というよりも姉妹のように仲の良い美子にも、本当のことは言え無かったようだ。
それもしょうが無いとは思う。
それにこれで美子に逢うことが出来なくなることはやはり寂しい。
10分ほどして美子が戻って来た。
心なしか、まだ頬を上気させているように見える。
つづく
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