放課後、遅くなりそうなので、ルミナたちには先に帰ってもらい、生徒会室へと向かった。
部屋に入ると誰も居ない。
みんな会議室かと思い奥のドアを開けた。
そこには会長の千夏がいた。
そして他には誰も居なかった。
「みんなはまだですか?」
千夏は席を立ち、いきなり頭を下げた。
「ごめんなさい、、、打ち合わせはウソなの、、、クルミにお願いして、、、、どうしてもユウトくんと話がしたかったから、、、」
してやられた、、、
そういうことか、、、
腹を据えた。
もう逃げるわけにはいかない、、、
ユウトはイスに腰を下ろした。
「会長、話は何ですか?」
ユウトはさめた目をしていた。
告白された時の、情熱的な瞳はどこにもない。
「ユウトくんは誤解しているわ、、、あの人は恋人なんかじゃない、、、従兄弟の大学生なの、、、」
「、、、、」
ユウトの表情に変化は無かった。
無言で話を聞いているだけだ。
千夏は必死だった。
「子供の頃からずっと遊んでくれていたの、、、すごく優しくしてくれて、勉強なんかも教えてくれた、、、、あの日だって、デートじゃ無かった、本当に買い物に付き合っただけ、、、それだけだよ、、、」
「先輩、従兄弟って、結婚出来るんですよ、、、もちろん知ってますよね、、、」
もう名前で呼んでくれない、、、
それがたまらないほど悲しい、、、
「知っているけど、そんなこと考えた頃もないわ、、、第一、彼には恋人だって居るのよ、、、」
「俺の親友だった男は、俺の彼女に手を出しました、、、ちゃんとした恋人が居るのに、、、」
「彼はそんな人じゃないわ、、、あっ、ごめんなさい、、、わたし、、、」
「別にいいですよ、、、先輩がそんなに信じているのなら、きっとそうなんでしょう、、、それにどうして今更、俺にそんなことを言うんですか?」
「だって、、、ユウトくんには誤解されたく無いから、、、」
「先輩は俺のこと、振ったんですよ、、、別にそんなこと気にしないで下さい、、、」
違う、振ってなんかいない、、、
そう言いたかった。
でも今更信じてもらえるはずも無い、、、
もう、全てが遅すぎるのだろうか?
「先輩、、、彼氏ができたら、気をつけた方がいいと思います、、、あっ、すいません、、、余計なことでしたね、、、俺のつまらない嫉妬です、、、忘れて下さい、、、」
あいつの目つきがどうしても気になる。
ても千夏がそんなに信頼しているのなら、、、俺の思い過ごしか、、、、
嫉妬、、、してくれているの?
わたしだって、、、
「じゃあ、俺、いきますね、、、」
「待って、、、あの時の子は、、あの子は、、、ユウトくんの恋人なの?」
「そんなこと、、、先輩にはどうでもいいことでしょう?でもこれだけはハッキリと言っておきます、、、彼女はいつも俺に正直でいてくれて、支えてくれる大切な人です、、、」
そう言い残してユウトは部屋を出て行った。
正直な人か、、、
わたしと全然違う、、、
ユウトのことが誰よりも好きだと、付き合って欲しいと言えなかった。
今更何をと言われるのが怖くて、、、
つづく
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