翌日、生徒会の打ち合わせがあった。
珍しく会長の千夏が何度も進行を誤り、予定を過ぎて会議を終えた。
「ユウトくん、、、ちょっと、いい?」
席を立とうとしたユウトに千夏が声をかけてきた。
「はあ、、何でしょうか?」
わざと距離をおいた返事に千夏の表情が曇る。
そのとき、千夏と仲の良い書記の脇野クルミ
がニヤニヤしながら傍に来た。
「千夏、今日はどうしたの?色ぼけ?そういえば、昨日、デートだったらしいわね?」
「ち、違うよ、、、買い物してただけ、、、」
「それ、、、普通、デートっていうんだよ、、、彼氏とラブラブに手を繋いでたって、、、噂なんだけど、、、」
「そ、そんなことして無いよ、、、それに彼氏なんかじゃないって、前にも言ったでしょう、、、」
何故だかユウトをチラチラ見ながら、千夏は必死に言い訳をしていた。
「じゃあ、俺、行きますから、、、」
「あっ、待って、ユウトくん、、、」
「あーあ、浮気はダメよ、千夏ちゃん、、、」
茶化すようにクルミが言った。
ユウトは無視をして部屋を出た。
これ以上、そんな話を聞きたくもない。
外でルミナが待っていた。
「終わったの?一緒に帰ろうよ。」
追って来た千夏が立ち尽くす。
「おう、、、」
ルミナがユウトに身を寄せ、千夏を見つめた。
「先輩、、、すごく素敵な彼氏ですね、、、羨ましいぐらい、お似合いでしたよ、、、じゃあ、すいません、失礼します、、、」
まるで二人を遮るようにルミナはそう告げて、ユウトと歩き出す。
この女はマズい、、、マユよりもずっと、、、
カナコとはまるで違った意味で、、、
ルミナの直感がそう告げる。
二人になにがあったのかは分からないが、これ以上二人を近づけてはならない、、、
ユウトの辛そうな顔、、、
もう、うかうかしていられない、、、
ルミナはユウトを家に誘った。
つづく
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