やっぱりユイナは嫌いだ。
わたしみたいにズルくなくて、正直だから、、、
それにセックスのことも、、、
今ならわかる。
ソウスケは口にはしなかったけど、本当はわたしの初めてを欲しかったんだと思う。
だって二人はずっと前から一緒にいたのだか
ら、、、
だからソウスケはあんなにわたしを求めてくれた。
そう、過去の男をわたしの躰から消し去りたかった。
わたしのことをそれだけ好きでいてくれたから、、、
それなのにわたしは処女を与えた過去の男と、再び関係を持った。
ユイナの言う通り、刺激を求めて、、、
男達に求められ、いい気になって舞い上がっていた。
わたしは本当に子供だった、、、ユイナよりもずっと、、、
これから二人はセックスするのかも知れない、、、
でもわたしにはそれを止める権利など無い。
ミスズはその場に立ち尽くし、二人を見送ることしか出来なかった。
その日からユイナは学校帰りに、ソウスケを誘うようになっていた。
「ソウスケ、一緒に帰ろ、、、」
「おう、、、」
まるでずっと前からの友人のようにユイナはなれなれしい。
あの後、二人は関係を結んだのかも知れない。
ミスズから見てもユイナは変わったように思えた。
見た目の派手さやキツイ態度が明らかに無くなり、落ち着いた雰囲気を感じさせる。
そしてそれがより美しさを引き立たせ、高校生とは思えない色気を醸し出していた。
二人はもう付き合っているのかも知れない、、、
本当に躰の関係を持ったのかも知れない、、、
ユイナは変わった、、、間違いなく、、、
それは絶対にソウスケのせいだ、、、
ミスズに対しても以前のような挑戦的な素振りは影を潜め、穏やかに接してくる。
まるでミスズの存在など気にも止めない余裕の態度で、、、
ミスズは胸を締め付けられる思いだった。
ほんの前まで自分のいた場所を、ユイナにそっくり奪われた気分だ。
それが自分の犯した罪への報いなのかと思っていた。
ユイナはソウスケと並んで歩く。
このところ毎日のように一緒に帰っている。
短い時間だが、それだけでもユイナの気持ちはときめいてしまう。
腕を組んじゃおうかな?
そんな気持ちをガマンする。
今はそばにいるだけで幸せだと思う。
あの日、ユイナはソウスケに抱かれるつもりだった。
でもソウスケはそうしなかった。
他の男だったら、一も二もなくユイナの誘いに応じていたと思う。
それだけの自信が自分にはあった。
だがソウスケは違っていた。
そんなことは出来ない、もっと自分を大切にしろと言われた。
そして自分はユイナのことを誤解していたとも言っていた。
優しい瞳で見つめながら、これからはユイナのことをもっとちゃんと見るようにすると言ってくれた。
すごく嬉しかった。
まるで初恋みたいにドキドキしていた。
ううん、これが初恋なのかも知れない。
そう思った。
つづく
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