美子は女として、まだまだ自信がある。
今でも街を歩いていると声をかけられナンパされる。
この男について行ったら、どうなるのかしらと思ったこともあった。
それを踏み止まらせたのは夫への貞操ではない。
息子のソウスケの存在だった。
ソウスケにこんなことを知られたら、わたしは生きていけない。
美子に取って息子のソウスケが全てだった。
そんな息子が傷つき落ち込んでいる。
息子への想いと女として満たされない自分。
寝付け薬に口にしたアルコールの量が気付かぬうちに増えていってしまっていた。
その日の深夜。
ソウスケも寝付くことが出来ずにベッドの上で雑誌に目を通していた。
ミスズの一件以来、そんな夜が増えている。
信じきっていた女性の裏切りがソウスケに影を落とし続けていた。
チエに逢いたかった。
でもそれは出来ない。
自分を思って身を引いてくれた先生に、今更すがることなど出来るはずがなかった。
けれどチエへの想いが今の自分を支えてくれる。
チエがいなかったら、、、もっと大変なことになっていただろうと自分でも思う。
そんなとき、ドアがノックされた。
母だとすぐに分かる。
父は出張中で家を空けている。
「ソウくん、、、起きてたの?」
果たして母が顔を覗かせていた。
「うん、、、母さんどうしたの?」
母は息子の自分に甘えてくるときはソウくんと昔から呼んでくる。
「ゴメンね、、、今夜は、、母さん、、、すごく寂しくて、、、久しぶりにソウくんと一緒に寝たいなって思って、、、ねえ、、いいでしょう?」
枕を胸に抱えた美子がしおらしく懇願してくる。
「また、お酒飲んだんでしょう?」
「本当にゴメンね、、、ソウくん、、、」
母は寂しくなるとそんなときがある。
父が仕事で忙しく、かまってくれないことが重なると、ソウスケが幼いころから、よくこんなことがあった。
でも今日は本当に久しぶりの事だった。
中学2年のとき、、、以来だった。
「いいよ、、、横においで、、、」
まるで夫婦みたいだな、、、
思わず苦笑してしまう。
やったねとはしゃぐようにして枕を置く母の姿に思わず目を奪われる。
えっ、、、
美子はスケスケの黒いベビードールを身に着けていた。
ノーブラの豊満な乳房がユサユサと揺れ、乳首までが透けて見えていた。
さすがにショーツは身に着けていたが、それも総レースで、目を凝らせば陰毛すら確認出来る。
そのほとばしる色気に目が釘付けになり、思わず生ツバをのみ込んでしまう。
「ソウくんのエッチ、、、」
「ゴメン、、、母さんがすごくキレイだから、、、」
今度はソウスケが謝る番だった。
「冗談よ、、、母さん、そう言ってもらえて、、、すごく嬉しい、、、」
身を寄せるようにしてソウスケを見つめてくる。
若々しく、その名の通り美しい母。
誰よりもキレイだと子供の頃から自慢の母親だった。
その母が潤んだ瞳でソウスケを熱く見つめてくる。
「ソウくん、、、辛いんでしょう?あのときみたいに、、、していいんだよ、、、」
あのとき、、、
ソウスケが中2のとき、、、
大好きな母への想いから、横に眠る美子に口づけをして、乳房に触れてしまったことがあった。
「知っていたの?」
「うん、、、気付いてた、、、」
「どうして、、、叱らなかったの?」
「ソウくんが大好きだから、、、母さん、ソウくんに女として見られているんだと思って、、、嬉しかったから、、、」
「母さん、、、」
ソウスケは美子を抱きしめた。
思っていたよりもずっと小さくて、華奢な母の躰。
それでいて女らしい豊満な妖艶さ秘めた肉体。
すごくいい匂いがして男を昂ぶらせる。
異性として意識をしてはいけないことは分かっている。
でも女として見てしまう自分がいた。
自分にとっては永遠に一番美しい女性。
そしていつも一番に自分を思ってくれて、見返りを求めることなく愛情を注いでくれる。
神聖な存在なのに、その美貌と女らしさに満ちた肉体が、思春期を迎えたソウスケの若い男の性を刺激し、初めてのオナニーからずっと美子を思い浮かべるようになっていた。
想像の中で何度も美子を抱いていた。
その母がソウスケの秘かな願望を叶えてくれようとしている。
もちろん、それが最後の行為迄ではないことは分かっている。
ソウスケは自分を抑えることが出来なかった。
そして抑えることが母を傷つけることになると分かっていた。
「母さん、、、ダメだと言っても遅いからね、、、俺、もう、、、」
つづく
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