そこにはソウスケと美子がいた。
血の気が一気に引いていく。
慌ててジュンヤの腕を放して、何とか取り繕うとするが頭の中が混乱してしまって、どうしたらいいのかも分からない。
いったいいつから見られいたの?
とにかく言い訳しなくては、、、
「あの、、、こちらは元彼、、、友だちのジュンヤ、、さん、、、偶然、そこで逢って、、歩きながら話をしていたの、、、」
動転していることもあって、声は上擦り、うまく話すことも出来ない。
「ふーん、、、ミスズちゃんは、男友だちにお尻を触らせる子だったんだ、、、」
そんなところから見られていたの?
それに美子の声は今まで聞いたことがないほど冷たかった。
大変なことになってしまった。
もはやミスズは完全に取り乱してしまっていた。
「違うんです、、、ソウスケ、違うんだよ、、、話していただけ、、、わたし、何もしてないから、、、ソウスケだけだから、、、」
「あなた、、、何を言っているのかわからないわ、、、見ていたのよ、、、あなたから腕を組んでいって、躰をベッタリとくっつけて、、、オッパイがどうのこうのって、、、それに、あなた甘えて誘っていたじゃないの?」
「それは、、、でも、、、違う、、、」
二人に全部見られていたんだ、、、
どうすればいいの、、、
あんなに優しくしてくれていた美子が、こんなに怒りに満ちた言葉を投げかけてくる。
「どうせこの男とデートするために、私たち
の誘いを断ったんでしょう?」
「それは違います、、、本当です、、、」
でもそう思われても仕方の無い状況だった。
全てが最悪だった。
ソウスケはすごく悲しそうな目をしていた。
「ミスズ、、、いいよ、言い訳は、、、もういいんだ、、、、さようならだ、ミスズ、、、」
さようなら、、、
本当に、、、これで終わってしまうの、、、
足元にポッカリと穴が空いたようだった。
そして躰がのみ込まれていく。
いつもそばにいてくれて、ずっと優しく見守ってくれて、やっとのことで恋人同士になれたのに、、、
三日前に抱かれたときも、あんなに激しく愛し合って、ずっと一緒と誓い合ったのに、、、
全てが失われようとしている。
そんなのイヤだ、、、絶対ないイヤだ、、、
全ては禁断の果実を再び味わおうとした自分が悪い。
そしてそのせいで、今、一番大切な人が去ってしまおうとしている。
「イヤだ、ソウスケ、、、お願い、行かないで!」
後を追おうとするミスズを美子が遮った。
今度はすごく寂しそうな表情を浮かべながら、、、
「あなたのこと、、、見損なっていたわ、、、いつから浮気していたの?ソウスケのことずっと騙して、、、心の中で舌を出していたんでしょう?もう二度とウチには来ないでちょうだい!」
そう言うと踵を返し、取り付く島もなく行ってしまう。
立ち尽くすミスズを絶望が襲っていた。
10年以上もかけてた培われたものが、跡形もなく全て崩れ去ってしまった。
全ては自分のせいだ、、、
ソウスケを裏切っただけじゃない。
あんなに良くしてくれた美子も裏切り、ウチの母も家族も、そして二人を祝福してくれた周りの友人たちも全て裏切ってしまった。
もう何も残っていない。
このたまらなく辛い現実から逃げ出してしまいたかった。
「ジュンヤ、、、今すぐ、二人きりになれるところへ連れて行って、、、お願い、、、」
そして人目も気にせず、ジュンヤと熱い口づけを交わす。
もうわたしにはジュンヤしかいない、、、
二人はラブホに入った。
ミスズは服を自ら脱ぎ捨て、ジュンヤにしがみついていった。
「ジュンヤ、、、わたしをメチャクチャにシテ!」
ミスズはジュンヤを、いやセックスを貪り尽くした。
ジュンヤが果てるたびに中年女のようなネチっこいフェラチオで蘇らせ、自ら躰を繋げていった。
ミスズは淫らなメスに成り下がっていた。
それも空腹を満たすことの出来ない淫乱な女。
何度イッても満たされることは無い。
満足させられるのはソウスケだけと分かっていることなのに、、、」
限界を越え横たわるジュンヤに、ミスズが身を寄せていく。
「ねえ、、、ジュンヤ、、、」
「もう、無理だよ、、俺、、、」
「違うの、、、、ねえ、わたしたち、また付き合おうか?」
「えっ、、、それは、、、」
「ねえ、そうしようよ、、、わたし、ジュンヤのこと、大切にする、、、」
「俺、、、恋人いるの知っているだろう?」
「だって、、、わたしの方がずっと好きだって、、、セックスだって、全部、ずっとわたしの方がいいって言っていたじゃない、、、」
「そうだけど、、、俺、やっぱり彼女のこと愛しているんだ、、、ミスズは最高の女だけど、、、、
実は卒業したら、彼女と結婚することになってるんだ、、、だから、、、面倒なことは困るんだ、、、」
「なに、、、それ、、、」
わたしは面倒な女なの?
わたし、騙されていたの?
つづく
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