絶対にソウスケに知られたくない。
しばらくは不安な日々が続いた。
不自然な態度を取って、気付かれてしまうことにも注意を注いだ。
幸いなことにソウスケに、そして周りにも知られることなく時が過ぎていった。
安心を覚えるようになると、不思議にあの時の後悔がウソのように消え去ってしまっていた。
あれは浮気じゃない。
だって彼はバージンを捧げた特別な人だもの、、、
そして初めて女の歓びをソウスケよりも先に教えてくれた男、、、
ステキな思い出をたくさんくれた男、、、
だから、アレはしょうがない出来事だったの、、、ソウスケをけっして裏切ったわけじゃない、、、
ミスズはそんな自分の都合の良い言い訳を考えるようになっていた。
そんなある日、ジュンヤから誘いの電話が入った。
その日、ソウスケは母親と用事があり、ミスズは一人家にいた。
美子に一緒に行きましょうよと誘われたが、たまには親子二人で楽しくデートして下さいと遠慮をした矢先のことだった。
ジュンヤの誘いをミスズは初めは断った。
でも結局は二人で映画を見るだけと、ジュンヤの強引さに押し切られ逢うことになってしまった。
待ち合わせをして、二人で並んで歩き、映画館へと向かった。
おしゃれをしてきたミスズをジュンヤはしきりに褒めそやしてくれた。
正直、それがとても嬉しく、ミスズの心は秘かにトキメキを感じていた。
初めての男との人目を忍んだデート。
それに、、、映画の後、、、誘われたら、どうしよう、、、いや、映画を見ながら、キスされたり、、、躰を触られたりしたら、、、拒むことが出来るだろうか?、、、もう一度だけなら、、、いいかも知れない、、、
下着だって、、、
ジュンヤの好みを着けてきた、、、
そんなことを考えてしまう自分に頬を染める。
歩いているというのに、いきなりジュンヤがミスズのお尻に手を伸ばしてきた。
あからさまに形の良いヒップを撫でてくる。
「あん、、、ダメだよ、、、こんなところで、、、」
絶対に誘われる、、、
確信して胸が高鳴る。
「いいじゃん、、、少しぐらい、、、」
「ダーメ、、、あ、と、で、、、」
ミスズはジュンヤの腕を取り、胸を押し付け組んでいった。
「やっぱ、ミスズの胸、デケぇ、、、プリンプリンしてる、、、」
「もう、、、ジュンヤはエッチなんだから、、、」
甘えるように男の肩にアタマを寄せる。
躰の中に疼くものを感じる。
誘われたら受け入れよう、、、
でも一応は嫌がるふりをしなくちゃ、、、
この前も大丈夫だったし、絶対にバレたりしない。
今日はジュンヤとのセックスを思いきり楽しんでやろうと心に決めていた。
ソウスケに開花させられ、以前よりもずっと感じるようになったミスズの躰を、この前よりももっと見せつけてやりたいと思った。
ジュンヤの彼女よりも、わたしの方がずっと上の女だということを証明してみせたかった。
躰がたまらなく熱くなる。
もうガマンが出来ない。
ミスズはジュンヤの耳元に口づけして囁いた。
「ねえ、、、映画は止めて、二人きりになろう、、、わたし、ジュンヤとシタい、、、」
「ミスズ、、、」
それはジュンヤの声ではなかった、、、
すぐ後ろからかけられた声、、、
聞き慣れた、大好きな人の声、、、
ミスズは後ろを振り向いた。
つづく
※元投稿はこちら >>