二人は三年になった。
二人の交際は知れ渡り、みんなはそれを祝福してくれた。
いつかはこうなると思っていたというものがほとんどだった。
お互いの母親はその嬉しさを隠そうともせず、もうお義母さんと呼んでもいいのよと言って周囲を笑わせた。
そしてチエ先生とも、ミスズとの交際を伝えてからは二人で逢うことはなくなっていた。
「ミスズさんなら、仕方が無いわね、、、彼女はとてもいい子だわ、、、幸せにしてあげてね、、、もうわたしの出る幕は無いわ、、、」
チエは寂しそうにそう告げた。
違います、俺にとって一番大切な女性は先生ですと口にしそうになる自分を押しとどめた。
あんなに一途に自分を想ってくれるミスズを傷つけることなど出来ないし、チエに迷惑をかけることもあり得るのだ。
このままチエとの関係を続ければ、いつかはそうなってしまう。
もちろんチエにもそれを分かっていた。
二人は互いの気持ちを汲んで、教師と生徒の関係に戻る決心をした。
ある日の休日、ミスズは友人と買い物に出かけていたが、その友人に急用の連絡が入り、一人ウインドウショッピングをする羽目になってしまった。
ソウスケも生徒会の用事があり呼び出すわけにもいかない。
もうすぐ昼時ということもあって、食事をして帰ろうと思っていたところ、不意に声をかけられた。
それは大学生の元彼だった。
どうかしたのときかれて、事情を話すと久しぶりに二人で食事をしようと誘われた。
ミスズは食事だけならと申し出を受けた。
それぐらいなら構わないだろうという気持ちもあったし、彼には引け目を感じていたからだ。
ソウスケへの想いから、ミスズから一方的に別れを告げたのだ。
元彼のジュンヤはソウスケほどの長身では無いが、細身で雰囲気は似ていた。
それに童顔ではなくシャープな顔立ちのイケメンだ。
性格も親しみやすく、久しぶりだというのに話も弾み、ミスズは楽しい時間を過ごすことが出来た。
ジュンヤはミスズを何度も褒めた。
前から可愛かったけれど、すごくキレイになった。
それに大人っぽくなって、以前よりもずっと色気を感じる女性になったと言われ、ミスズは頬を染めた。
最近周りのみんなにもそう言われるようになった。
でも元彼に改めてそう言われと、やはり特別な思いを感じてしまう。
「ミスズ、すごく幸せそうだな、、、」
「うん、幸せだよ、、、」
「良かったな、、、彼とはうまくいっているんだろう?」
「すごく、うまくいってるよ、、、、あっ、ゴメン、、、」
「気にするなよ、、、俺、幸せそうなミスズ見るの嬉しいし、、、、それに俺、彼女が出来たんだ、、、」
「えっ、、、本当?ねえ、、、どんな人?」
「うん、、、美人だし、すごくいい子だよ、、、でも、、、ミスズには負けるかも、、、」
「またまた、、、でも、、、良かった、、ね、、、」
ホッとした、、、
そうだよね、、、ジュンヤはすごくモテるから、、、
でもどうしてか、少し寂しいと思う自分がいた。
「うん、まあね、、、、でもやっぱり、ミスズを思い出すこともあるよ、、、」
「ええっ、、、そんな、、、」
、、、嬉しい、、、
「だって、、、ミスズの方がずっといい女だし、、、今日逢って、余計にそれが分かった、、、」
尋ねてはいけない、、、
それなのに、、、わたしはどうしても知りたい、、、
「何が?」
「全部だよ、、、顔も性格も、、、ミスズが一番だ、、、からだも、、、セックスも、俺にとって最高の女だ、、、」
ジュンヤの目が男の欲望を剥き出しにして、ミスズを見つめていた。
「そんなこと、、、言わないで、、、」
躰が熱くなっていた。
ジュンヤはわたしの躰をすべて知っている。
今だって、心の中でわたしを裸に剥いて、乳房やアソコを思い浮かべているはずだ。
「ミスズ、、、俺の部屋に寄っていかないか?どうしても見てもらいたいものがあるんだ、、、」
ジュンヤが手を握ってきた。
ミスズはそれを振り払おうとはしなかった。
「何を、、、見せたいの?」
声が震えていた。
「秘密だよ、、、見せて驚かせたいんだ、、、」
「でも、、、」
行ってはいけない、絶対に、、、
アタマの中では分かっていた。
たがら、何か言い訳が欲しい、、、
嘘でもいい、、、約束が欲しい、、、
「いいだろう?見るだけだ、、、すぐに帰ればいい、、、」
「約束だよ、、、すぐに帰るからね、、、」
「分かってるよ、、、ミスズのイヤなことは絶対にしないから、、、」
ミスズはジュンヤに従い、部屋へと向かった。
危険信号が点っているのを気づかない振りをして。
わたしはジュンヤを信じてる。
恋人がいるのにヘンなことをするはずが無い。
それに見せたいものが何なのか気になる。
すべては言い訳だった。
久しぶりのジュンヤの部屋。
懐かしい思いがこみ上げてくる。
このベッドの上でわたしはジュンヤにバージンを捧げた。
そしてこの部屋で数え切れないぐらいジュンヤとセックスをした。
そんな思い出が躰をたまらなく熱くする。
そのとき後ろから抱きしめられた。
「イヤッ、、、ジュンヤ、、、やめて、、、」
「いいだろう?キレイになったミスズが欲しいんだ、、、」
キレイになったのは、、、
急に怖くなる、、、
さっきまで、少しだけ秘密の冒険を楽しもうとしていた自分、、、
悲しそうなソウスケがアタマに浮かぶ、、、
やっぱりいけない、、、
「約束が違う、、、見せたいものがあるって、、、」
「そんなこと、、、ミスズだって、そんなの分かっていただろう?俺が見せたかったのは、お前を忘れられない俺の想いだ、、、これからそれを見せてやる、、、」
「ダメよ、、、お願い、許して、、、」
ベッドに押し倒され、服を脱がされていく。
「イヤだ、、ジュンヤ、お願い止めて、、、」
口では拒みながら、本気で抵抗することが出来なかった。
元々嫌いになって別れた訳ではない。
まだ好きだったのに、ソウスケが忘れられずに自分勝手に別れた引け目もある。
それに何よりも自分の処女を捧げた男なのだ。
「お願い、、、彼を愛しているの、、、」
最後の抵抗だった。
「今日だけだ、、、最後の思い出が欲しいんだ、、、」
その一言でミスズは抵抗を止めた。
口づけを受け入れ、全裸にされた。
「ミスズのデカイ胸、、、ずっと触りたかった、、、、」
ジュンヤは武者振り付いてきた。
念入りに愛撫をされた。
ミスズはいつの間にか声をあげていた。
躰は感じ始めていた。
つづく
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