ソウスケらしいと思った。
頭がよくて、きまじめで、周りに気を遣う。
面には出さないが、正直チエにとってソウスケは大のお気に入りの生徒だった。
それに引き換え、ヤマトは、、、
すぐに最悪な生徒だと気付いていた。
長い教員生活の経験が、そんなことなど簡単に見抜いてしまう。
粋がり、女をモノにすることで、人より大人になったつもりになる。
女を道具のように扱い、都合が悪くなると周りに責任を押し付け、自分だけ逃げ出す。
マユのように美人で、出来の良い生徒があんな男と関係を持つなんて、今でも信じられない。
しかもソウスケという彼氏がいるにもかかわらず。
実をいうと学校での急用はマユとヤマトの件だった。
二人がラブホテルに出入りしている写真、そしてヤマトがやっているらしい、いかがわしいネットへの書き込み。
みんなが考えている以上に大問題になっているのだ。
チエはマユの担任ということで、明日も会議
に出席しなければならない。
おそらく二人には厳重な処分が下されるはずだ。
それをソウスケに教えることは出来ない。
でもネットへのあの書き込み。
もし本当のことだったら、酷いことだ。
ソウスケに対してどうしてこんなに酷いことが出来るのか、チエにはまるっきり分からない。
教師として許されることでは無いかも知れないが、二人に対して抑えきれない程の怒りを覚えた。
本当に謝って済むことでは到底ない。
ソウスケはどこまで知っているのだろうか?
ネットの内容も、おそらくは知っていると思う。
そして週が明ければもっと知ることになる。
「そうか、、、ソウスケくんの気持ち、先生何となく分かる気がする、、、」
「でも、、、俺も悪かったのかも知れません、、、」
「えっ、ソウスケくん、、、まさか、あなたも、、、」
「違います、、、何もしてません、、、、ただ俺、高校に入ったときから、、、すごく好きな人がいて、、、」
「えっ、、、それって、、、」
意外だった、、、
ソウスケは一途なタイプだと思っていた。
ひょっとしてミスズさん?
幼馴染みですごく仲が良いとは聞いていた。「あっ、すいません、、、こんな話聞きたくないですよね、、、やめましょう、こんな話、、、」
「ううん、やめないで、、、わたしで良かったら話して欲しい、、、先生、その話、、、聞きたい、、、」
ソウスケが好きだった女性、、、
どうしても知りたかった。
「俺、その人がどうしようも無いぐらい好きで、、、でも、絶対に無理な人で、、、諦めるしか無くて、、、」
誰なんだろう?
諦めるしかないって、、、
ミスズさんではないわね、、、
先輩とか?
いいや、彼氏とかいなければ、ソウスケなら大体はイケるような気がするし、絶対に無理な人では無いわよね、、、
まさか、、、でも、、、
チエはなぜか、どうしてもその相手が気になってしょうが無かった。
「そんなときにマユから告白されたんです、、、、最初は断ろうと思いました、、、でも、マユは何となくですけど、その人に雰囲気が似ていて、、、大人びた感じがして、、、、ううん、でもその人の方がずっとキレイで優しくて、忘れることなんて出来なくて、、、、」
鳴海さんよりもずっとキレイな人って、、、
「でもその人を想い続けても、いつかその人に迷惑をかけたらと思って、マユと付き合う決心をしたんです、、、でも付き合っているうちにマユのことがどんどん好きになって、大切にしなくちゃとずっと思っていて、、、そして、こんなことになって、、、だから俺のせいかも知れません、、、」
「そんなこと無い、、、ソウスケくんは何も悪く無い、、、鳴海さんのこと、あんなに大切にしていたじゃない、、、ソウスケくんは悪くないよ、、、」
そうソウスケは良い恋人だった。
断言できる。
わたしから見ても焼けるくらい、、、
ソウスケは涙をこらえているようだった。
こんな目に遭っていながら、自分を責めようとしている。
それはきっと、その好きだった女性を忘れることが出来なかったから、、、
だから苦しんでいる、、、
何となくその相手が分かったような気がした。
だからチエは意を決してソウスケに言った。
「ソウスケくん、、、今日はウチに泊まりなさい、、、、、そのかわり、絶対に内緒だよ、、、」
「はい、、、絶対に誰にも言いません、、、」
ソウスケの瞳が輝いていた。
チエは自分の想像が当たっていることを確信した。
そして学生時代に戻ったように胸がドキドキしていた。
シャワーを交代で浴びた。
チエはまるで何かを期待するかのように丹念に躰を磨きあげた。
丸みの強い豊満な胸、くびれたウエストに大きいがよく持ち上がったヒップ。
若い頃に比べれば少しは負けているかも知れないが、まだまだ躰には自信がある。
突き出すような高さが自慢のGカップの乳房にソウスケの視線を感じたことも何度もあった。
どうしても何度も鏡で確認してしまい頬を染める。
鏡にうつる瞳、それは間違いなく女の目をしていた。
つづく
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