ソウスケは前の晩からチエ先生の自宅におじゃましていた。
前日は友人の家に泊めてもらったのだが、今回の件で気遣ってくれる友人達の厚意にかえって引け目を感じてしまい、家に帰るからと言って引き止める友人宅をあとにしていた。
しかしマユが訪れるかも知れないと考えると
、とても帰宅する気にはなれず、スーパーのフードコートで時間をつぶしているところを先生に声をかけられたのだ。
先生は今回の件を知っているらしく、ソウスケを自宅へ誘ってくれた。
そして夕食までごちそうしてくれて、話まで聞いてくれた。
予想していた通り、チエ先生の料理はたまらなく美味しく、そう言いながらおかわりをするソウスケを先生は嬉しそうに目を細め見つめていた。
先生のご主人はお子さんと実家に泊まりがけで行っていて、明日まで帰ってこないとのことだった。
先生も同行するはずだったが、学校で急用がありいけなくなってしまったそうだ。
「そっか、、、そんなに鳴海さんには逢いたくないか、、、」
「はい、、、」
「どうして?きっと鳴海さん、ソウスケくんに謝りたいと思っているはずだよ、、、」
「俺、今、、、アイツの言い訳を聞きたくないんです、、、どんな言い訳を聞いてもアイツのこと恨んでしまいそうで、、、本当に好きだったから、、、でもこれは俺だけの問題じゃ無いし、どんなことがあっても、もうやり直す気はありません、、、きれい事かも知れないけど、俺、、、人を憎みたくないんです、、、」
つづく
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