仕方の無いこととはいえ、マユは寂しい気持ちを募らせる日々を送ることになってしまった。
たまに連絡は取り合うが祖父の状態はかなり悪いようで、早々に帰って来ることは出来ないようだ。
そんな時に声をかけてきたのが、同じ講習を受けていた、高校では隣のクラスの犬伏ヤマトという男だった。
以前、交際を申し込まれて、断ったことのある男子だ。
少し不良がかった男で、170程の身長だが、ガッチリとした体型をしていた。
顔はそこそこのイケメンだったが、目つきが悪く、女癖も悪いという評判の生徒だった。
人妻のセフレが何人もいるという噂もあり、マユは生理的に受け付けることが出来ずに、即座に申し込みを断った。
その後もしつこく声をかけられたが、さすがにソウスケと付き合うことになってからは、こんなこともなくなっていった。
それが、まるでマユの寂しさを見透かしたかのように声をかけてきた。
むげにするわけにもいかず、初めは何気ない会話を交わすようにしていた。
しかし、以前のように言い寄ってくることも無く、いつしか講習の帰り道に話をしながら駅まで二人で歩くようになっていた。
マユがソウスケと付き合っていることを知っているという安心感もあったし、あの頃の自分とは男の見方が随分と変わってしまっていたからだ。
あの時は人妻のセフレがいるというヤマトに嫌悪感を覚えていたが、こうして女の歓びを知ったいまは、正直少しだけヤマトに興味を持つようになっていた。
いったい人妻とどんなセックスをしているんだろう?
ヤマトは年上の女を何度もイカせているんだろうか?
人妻はヤマトの若い体に夢中になっているんだろうか?
こんなことを考えてしまう自分を諫めてみても、どうしてもヤマトを見ると日に日に、そんな想像が頭の中で膨らんできてしまう。
人妻とヤマトの激しいセックスを思い浮かべている自分がいる。
そして、それを想像してオナニーに耽ってしまう、いけない自分がいた。
早くソウスケに帰ってきて欲しい、、、
そして思いきりソウスケに抱かれたい、、、
そう思い続けていた。
講習の中盤、模試があり、昼過ぎには二人話をしながら駅に向かっていた。
それが当たり前になりつつあるほどに、二人の関係は打ち解けたものになっていた。
それだけでも以前からは全く考えられ無いことだったが、それ以上に二人の間には言葉には出来ない微妙な雰囲気が漂うようになってきているようにマユは感じていた。
昨夜のヤマトを思ってのオナニーがそう感じさせているのだろうか?
いけないと思いながら、シテしまったオナニー、、、
そのせいか、いつもよりもずっと感じてしまった。
ダメだよ、、、わたし何を考えているの?
頭の中から慌てて振り払う。
「なあ、鳴海、、、」
ヤマトが改まった口調で話をしてきた。
やはりヤマトをどうしても意識してしまう。
その時もひょっとしてデートに誘われるかもと身構えてしまっていた。
それは絶対に断らないと、、、
つづく
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