17日目(土曜日)
「ちょうど日付が変わるから、0時になったらスタートしようか?」
相田は腕時計を見て言った。
ユキは両手足の拘束を解かれて、直ぐに立ち上がり相田から少し距離をとり、部屋の中を見渡した。
相田に拘束を解かれている最中、自分の荷物がどこにあるのか気になっていた。
だが、見た感じこの部屋には無さそうだった。
「アンタ、私の荷物どこやったの?」
「勝ったら教えてあげるね」
相田は笑顔で答えた。
ユキは余裕ぶった相田の姿に苛立ちを隠せないでいた。と同時に、あの気の弱く優しいだけの相田がここまでの事をしてきた事、そして感情が読めない作った様な笑顔に気味の悪さを感じた。
ユキは認めたくはないが、心の奥の方で少しだけ相田に恐怖を抱いていた。それを誤魔化すよう怒りの形相で、怒鳴りながら相田を威嚇した。
「調子こいてんじゃねぇよブサイクが!!テメェマジで、終わったら覚えとけよ!?」
相田は気にする様子もなく、腕時計のタイマーをセットしていた。
「じゃ初めよっか。ユキが僕をベッドから床に落としたら勝ちね。」
「よーい、、、スタート!」
ユキは相田に飛びかかった。落とす為にと言うより、まず思いっきりぶん殴ってやろうと思っていた。
相田は避ける素振りもなく、ユキの渾身の拳を顔面に受けた。
しかし相田は少し身体が揺れた程度でバランスを大きく崩すことも無く、何事も無かったかのように立っていた。
代わりにユキは右の手首を痛めてしまった。
それだけではなく、右親指の中関節も痛めた。
相田は避ける事はしなかったがほんの僅かにおデコを突き出してユキの右拳は相田のおデコに変な形で当たった。
ユキは右の手首と親指の痛みに一瞬苦しそうな顔をしたが、我慢して何事もないかのように振舞った。
が、ユキは一瞬動きを止めて、シンプルに相田に身体ごとぶつかってベッドから落とそうとした。
ユキが一瞬動きを止めてしまったのは、痛かった事もあるが1番の原因は、「全力で殴ったのにそこまで動くことも無く、手応えが全くなかった事」だった。
ユキは普段から気弱な男子を虐めてきた立場だから忘れていた。
本来、そんな気弱な男子でも本気でチカラ比べになればユキの様な華奢な身体は為す術なくねじ伏せられてしまう。
ユキはその事をたった一瞬で理解させられてしまった。
そして、相田がもしユキを思いっきり殴ればどうなるのか?そんな事を脳裏で考えてしい、相田への恐怖がまた少し大きくなった。
それでも、、どんな手を使っても相田をベッドから落とせばいい。
ユキはとにかく必死で相田に重心をかけて押したり、引いたりした。
だが、相田は多少足元が動く程度で、まるで響かなかった。
相田が単に体幹が強いだけでなく、そもそもユキは筋力が少なかったせいもある。
ユキは今まで全部自分の思い通りにしてきた。
だから、男女の体格差も自分の非弱さも認めたくなかった。
ユキは体力もなかった。
まだ序盤にも関わらずユキは息切れしていたし、疲れていた。
ユキは普段から見下し、蔑み、ザコだとバカにしていた相田ごときに、こんなに必死をこいても何も出来ないでいる事を認めたくなかった。
そして怒りを更に募らせた。
だから引っ掻き、顔を叩いたり、股間に蹴りを入れたりと手当たり次第に相田を痛めつける作戦に出た。
相田はそこまでのダメージを受けてはいなかったが、ユキの首の少し下の辺りに手を押し当て、グッと強く押した。
ユキはあまりの力に吹っ飛びそうになり、バランスを崩してベッドから転がるように落ちた。
体のあちこちをぶつけたが、アドレナリンが出ているからか痛みは余り感じなかった。
代わりに、ベッドの上で無表情でユキを見る相田に少し固まった。
怒りは頂点に達しているが、それを飲み込む勢いで恐怖がユキの頭の中を覆った。
「、、調子に乗んなよブサイク!!」
恐怖を認めたくないユキは強気の姿勢で相田に吠えた。
「まだ50分くらいあるよ。早くおいでよ。」
相田はまた作った笑顔でユキに猫なで声でいった。相田はユキをバカにしていたし、ユキにはそれが伝わった。
ユキは恐怖と怒りと悔しさと認めたくないと言う感情がごちゃ混ぜになり、
(「ボコボコにしたい!」「怖くて近ずきたくない」「なんでこんな事しなきゃいけないの?」「なんとかアイツを社会的に潰したい」)
と様々な思いが混ざり、相田を睨むだけで、動けないでいた。
「おまえ、、マジで卑怯だな。」
ユキのごちゃ混ぜになった頭で考えて出た答えは、口攻撃だった。
相田はちょっと驚いた顔をした。
「男のくせに卑怯なんだよ豚野郎!!死ね!!地獄に落ちろクソ野郎!!」
ユキは狂ったように叫んだ。
相田は対照的に落ち着いて答えた。
「そんな事してる暇があったら早くベッドから僕を落としに来なよ。怖いの??」
ユキは怒りが込み上げた。が、核心をつかれて、言葉が出なかった。
「はぁ、、、。ユキさん、思ったよりも手応えなかったね。」
ガッカリだよ。と言いたそうな表情で相田は言った。そして続け様に、
「まぁ、来ないなら来ないでこのまま1時間立ったら僕の勝ちだから、、言う事聞いてもらうけどね。」
ユキは怒った。そして、、近くにあった椅子を持ち上げて思いっきり相田めがけて投げた。
ユキの渾身の力を振り絞って投げたおかげもあり勢い良く椅子が相田めがけて飛んだ。
が相田は上手にキャッチした。
そしてユキが初めてみる様な怖い顔で思いっきりユキにイスを投げ返そうと大きなモーションをした。
「や、やめてーーー!!!」
ユキは咄嗟に頭を抱えながらしゃがんだ。
イスは飛んでこず、代わりに相田のバカにした様な笑い声が響いた。
「やめてーって笑。怯えるなんてユキさんらしくないね。笑
まぁ可愛かったよ、うん。」
ユキはイスを投げるフリに引っかかり、怯えてしまった事に恥ずかしさと怒りと悔しさが湧き上がった。
「んー、、結局ユキさんは落としに来なそうだから、この勝負やめよっか?」
突然の相田の申し出にユキは意表をつかれて言葉が出なかった。
「違う勝負にする?」
ユキはそれを心から望んでいた。ユキが勝てる内容にして欲しかった。だが、それをコチラからお願いするのは、プライドもあったし、何よりも敗北を認めるみたいでいえなかった。
代わりに相田を睨みながら言葉の続きを待った。
「じゃあさ、、こんなのどう?
10分以内にユキの今着てる服を全部脱がせたら僕の勝ち。10分以内に脱がせなかったらユキの勝ち。」
相田はニコニコしながら提案した。
ユキは直ぐに反対した。
「はぁ!ふざけなんなよ!!テメェに裸なんか絶対見せねえ!!それにテメェが有利じゃねえか!!卑怯者!!」
暗にチカラずくな勝負では私は勝てません。と認めたようなユキの言葉に、相田は笑いを堪えた。
そして、
「別に脱がされなければ裸は見せないで済むよ?」
とだけ答えた。
「ふざけんなブタ!!そう言えば私がやると思ってんのか??死ね!!」
ユキは悪態をついた。ユキは相田の提案が不公平である事を全面にだした。
「はぁ、、ホントにワガママだね。別にこんな勝負しなくても、全部バラしてもいいんだよ?
むしろ、勝負してあげてるのは僕の優しさなんだけど、、、」
相田は呆れた様に言った。
ユキは何かを言いかけたが、遮る様に相田が続けて言った。
「じゃあ5分以内でどう?それと、もしそれでも自信が無いのなら。僕はハンカチを右の上腕に巻くから、ユキはそれを取ったら勝ちにしてもいいよ?」
相田はだいぶ条件を緩めた。これ以上は譲らないだろうと察したユキは、その条件を飲んだ。
ハンカチを右の上腕に巻いた相田は、またタイマーをセットした。そして、、
「じゃ始めよーか。よーいドン!」
ユキは相田と反対側に走った。
そして、バスユニットの取手に手を伸ばした。
ユキは5分間、バスユニットの内側から鍵をかけて乗り切る作戦に出たのだ。
これは相田の意表をついた。
、、、かに思われたが、取手は鍵がかかっているのか動かず、ユニットバスのドアは開かなかった。
ユキは焦って何度も取手を回そうとした。
が。ビクともしない。
ふと相田の腕が後ろからユキのおなかの辺りを抱きしめるように捕まえた。
そして持ち上げてベッドの方にユキを運んだ。
ユキは全身を使ってもがいたがビクともせず、
そのままベッドに叩きつけられた。
ベッドだったので痛くはなかった。が、ユキが動く前にまた抱きかかえられてベッドに叩きつけられた。
「う!!」
ユキは声を上げた。
また抱きかかえようとしてきたが、振り切って相田の反対側の方に逃げようとした。
しかし足首を捕まれ思いっきり相田の方に引き寄せられた。
ユキは必死にもがくが、相田に馬乗りになられた。体重をかけられてユキは苦しかった。
そしてそのまま相田はぎゅっと首を手加減して絞めた。
「っ、、、!」
ユキが辛うじて息出来る程度に。ユキは息がしずらく苦しがった。
(苦し、、やばい、、息が、、、)
ユキは意識が遠のきそうになったが、見計らった様に相田は手を話した。
ゲホッ!!ゴホゴホ!!
ユキはむせ込んだ。
そんなユキの苦しそうな姿をチャンスと見るかのように、相田はユキのお腹を軽めに殴った。
「うっ!!」
少し重みがあり、ユキは苦悶の表情を浮かべた。
そして軽めに頬を2回、続けてはたかれた。
「ぃ!!」
「うぅっ!!」
息も上がり苦しく、お腹に鈍い痛みがあり、頬もヒリヒリした。
ユキはそれでもなんとか逃げようと身体を動かしたが、チカラずくでまた同じ体制に戻され、馬乗りされ首を絞められた。
今度はチカラ強く閉められて息が出来なかった。
(苦しい、、!助けて!!)
手足に力が入らなくなり、抵抗が出来なかった。
相田は手を離した。
ユキは更に息をゼェゼェとさせた。
「そろそろかな。」
相田はボツりと呟いた。
そして、ユキの服を掴み、思いっきり引っ張った。
ビリビリと音を立てて服が破け、ユキの肌があらわになった。
「はあはあ、、や、やめろ!!」
抵抗するも全然力が入らず、相田に直ぐに手を払われてしまう。
相田はユキの水色のブラに手をかけた。
「ブラも破くね」
「い、いや!!やめて!!!ダメぇ!!」
ブチブチ、、、と音を立ててブラが破け始めた。
服の時より少し時間がかかったが、ブラも外され、ついにユキの綺麗な曲線の乳房も可愛らしい桜色の乳首もあらわになってしまった。
「や、、やめて!!」
ユキは息も絶え絶えで、額には汗をかいていた。
服もボロボロにされて、あらわになった上半身はとても艶やかで非情ないやらしさを醸しだそさていた。
ユキはなんとか服の切れ端で胸元を隠そうとしたが、相田に手を思い切り弾かれてしまった。
「あ、、、や、、やめて、、」
相田は立ち上がり、ズボンの裾を掴んだ。
ユキに抵抗するチカラはなかったが、それでも気力でズボンを脱がされない様に抑えた。
しかし、やはり手に力が入らず、あっという間にスボンは脱がされた。
「お、お願い、、ホントに、ダメ、、、」
ユキは息も絶え絶えに必死に相田に言った。
「可愛いパンツ履いてるねー。これは破いちゃおうね!」
相田はユキの懇願など、聞こえないような素振りでパンツに手を伸ばした。
ユキは朦朧としながら脱がされないように手で邪魔をしたが先程痛めた右手首をグッと強く握られて、痛みで苦悶の表情を浮かべ抵抗を辞めた。
ブラの時よりも早くパンツは破けた。
そして全身裸で、所々に汗を浮かべ、息を切らし、ボロボロの服に包まれたユキのいやらしく、恥ずかしい姿は、まるで強姦された後の様だった。
相田はぐったりとしているユキに見えるように、破いて取ったパンツを顔に近ずけた。
「ぁあ、、、、や、やだ。」
ユキは怒っていたし悔しかったが、負けを認めざる負えないほどにボロボロにされ、疲労も強く、相田のほくそ笑んだ顔とボロボロのパンツを見る事しか出来なかった。
「まだ1分以上残ってるよ?笑。本気で抵抗した??」
相田は挑発するようにユキに言った。
「じゃあ、、僕の勝ちだね。残念でした。」
ユキはその言葉に少しだけ涙を浮かべ、現実から目をそらすように目をつぶった。
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