優奈は学校帰りの地下鉄の中で声をかけられた。
「優奈ちゃんだよね?」
優奈は相手が誰だかすぐに分かった。
「鈴村さん?航平さんですよね?」
中学時代の仲良しだった友人のお兄さんだった。
優奈はその友人の家をよく訪ねていた。
当時、まだ高校生だったお兄さんと顔を合わせることも多かった。
当時から長身ですらっとした体型の航平は、確か4歳年上だったが、優奈にも優しく接してくれ、素敵なお兄さんだなぁと一人っ子の優奈は思っていた。
二人は短い時間だったが話をし、アドレスを交換して別れた。
優奈はその夜、久しぶりにあった航平のことを考えていた。
航平さん、すごく素敵になっていたなぁ。
決して美男子ではないが、落ち着いて優しげな顔立ち。
髪は少し長めになって、大人の雰囲気が出てきたというか、男らしさを増したような気がする。
そうだ、外見はまるっきり違うけど、お父さんに雰囲気が似ているんだ。
優奈はそう思いあたった。
確かに見た目は全く違っている。
180をこえる長身で、細めの引き締まった体をしている。
そんなとき、航平からメールが届いた。
今日、優奈ちゃんに久しぶりに会えて、嬉しかったとあった。
優奈はわたしもと返事をした。
今度、時間があったら会おうよと誘われた。
優奈は喜んでと返事を返した。
二人は互いにお休みなさいを伝え、メールを終えた。
優奈は胸がドキドキしていた。
わたしどうしたのかしら?
優奈はなかなか眠りにつくことが出来なかった。
つづく
※元投稿はこちら >>