理奈は翌日から昔に戻ったように明るくなった。
道夫もそんな理奈を見て、先日の件は忘れようと心に決めた。
なにも言わなければ、理奈のあの時の言い訳を道夫が信じたと、思ってくれると考えたからだ。
もともと優しい性格の理奈は、以前より家族に優しく接するようになっていた。
そして夜の生活も積極的に求めるようになった。
理奈は激しく乱れた。
まるでなにかを埋めるかのように。
一見、二人の夫婦生活はもとに戻ったかのように見えた。
そんなある日、幸弥から連絡がきた。
二人はあの不倫旅行以来、関係をたっていた。
理奈から幸弥に少し距離を置きたい、という申し出を幸弥が応じたのだ。
少し未練はあるけれど、理奈さんがそうしたいのならと幸弥は素直に受け入れた。
それが今日、理奈から例の物品庫に呼び出された。
中に入ると、いきなり理奈に抱きつかれキスをされた。
やっぱり幸弥じゃあないと駄目なのと言ってフェラチオを始めた。
「ああ、やっぱりこれが好き、一番好き、、、」
と言いながら激しくフェラを続け、最後は口で受け止めてくれた。
そして、なんとか時間をつくるから会って欲しいと懇願された。
どうしたらいいかという話だった。
道夫はこうなることを予感していた。
一度芽生えた恋の炎は消えることなく、心の中でくすぶり続けていたのだ。
道夫は幸弥さえ良ければ、関係を復活させて欲しいと答えていた。
道夫は優奈との関係を続けていた。
一途に慕ってくれる、可愛い優奈が美しく成長し、男として自分を求めてくれる。
その年齢とは思えない素晴らし肉体で、道夫に与えられる快楽を待ち望んでいる優奈を、手放すことなど思いもよらなかった。
こうなった今は、理奈の目を他の男に向けておけば、自分と優奈の時間を持ちやすくなる。
道夫は今、自分がひとときの夢を見ていることをよくわかっていた。
いずれ優奈は自分から去っていく。
だからこそ少しだけでも長く夢を見たい。
いつの間にか、それだけが道夫の望みになっていた。
つづく
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