今日は朝はやくから理奈とドライブデートだ。
理奈がいつか二人で遠出をしたいと言っていたからだ。
二人は一緒にソフトクリームを食べ、腕を組んで歩いたり恋人同士のようにデートを楽しんだ。
道夫には理奈が可愛くてしょうがない。
最近とみに大人っぽくなったし、より美人になった。体つきも益々女らしくなり、落ち着いた雰囲気がとても高校生とは思えない、色気を醸し出している。
道夫を一途に慕ってくれて、純粋で優しい性格をしている。
すべてに関して、もちろんセックスも含め、理奈は道夫にとって理想の女だった。
口には出せないが、理奈は道夫にとって人生で一番愛した女だった。
もっと年が近かったら、何度考えたことだろう。
でも、いくら考えてもしょうがないことだと自分を言い聞かせてきた。
今、自分は夢の中にいる。そして夢は必ず覚めるときが来る。
車を運転していると不意に理奈が言った。
「別れたみたい、、、」
優香と真也のことだとすぐにわかった。
「二人とも、わたしに前より、もっと優しくなったし、、、」
「そうか、良かった、、、」
「ありがとう、、、」
「俺はなにもしていないさ。きっと二人とも、理奈のことをすごく大切に思っているからだよ。」
理奈にはわかっていた。道夫がわたしのためにすべて一人でやってくれたのだ。
私と真也のために、、、
自分でも訳の分からない感情がこみあげてきて、理奈はふざけた口調で言った。
「母のおかげでエッチも上手になったみたいだし、、、」
わたし、なにバカなことを言っているの、、、
道夫は胸が痛くなった。
そんなこと、わかっていたことじゃないか。
でも自分は自分の息子に焼きもちを焼いている。
「イカせてくれたかい?」
理奈は黙って、小さく頷いた。
確かに、真也に抱かれて初めてイッた。
でも、そんなときもずっと道夫のことを考えていた。
真也に抱かれながら、道夫だったらもっとイカせてくれる、比べようが無いほど、そんなことを考えていた。
道夫にそう言いたかった。
でも、そんなこといえない。
理奈にはわかっていた。
つづく
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