~お近づき~
すると私をそっと抱き寄せ頭をポンポンしながら「酔いすぎですよ」と。
身体に当たるエアコンの涼しい風と、ひさしさんの温かい胸板が凄く心地よく…
気が付くと朝でした。
えっ!?…と思い目を開けると私の部屋のものではないベッド。
あれ?と思い身体を起こすと隣にひさしさんが寝ていました。
「おはよう…」とこちらを向くひさしさん。
私は「ごめんなさい…」と言いベッドから出ようとすると私の手を掴み「今日仕事?」と聞きました。
「いえ…休みですけど…」と答えると「何か予定ある?」とひさしさん。
「特にないですけど…」と言うと私の腕を優しく引き寄せ「じゃぁ、もうちょっとこうしていよう…」と私をベッドに寝かせ抱き寄せました。
凄く幸せな気持ちになりました。
私もひさしさんに抱き付き、しばらく二度寝。
ひさしさんのスマホに電話が掛かってきて幸せな二度寝は終わりました。
ベッドで電話をしているひさしさん。
私はベッドから出て隣のリビングへ。
するとテーブルの上は綺麗に片付けられ、私のお酒だけがまとめられていました。
ソファーに座っていると、電話を終えたひさしさんが隣に。
「何か飲む?」と聞かれ「歯磨きしたい…」と言うと、洗面所から新しい歯ブラシを持ってきてくれました。
「隣にいけば私の歯ブラシあるのに…」と私が言うと「帰したくないから」と笑い、二人で歯を磨きました。
歯磨きを終えると「コーヒーでいい?」と聞くひさしさん。
閉じたままの遮光カーテンの隙間から、朝日の光の筋が差し込んでいました。
「昨日は酔っちゃって、本当にごめんなさい」と謝ると「全然。ひとみさんとお近づきになれて凄く嬉しいですよ」と優しい笑顔で私を見ました。
「それより覚えてます?」と聞くひさしさん。
「なんですか?」と言うと「私の彼女になってくれる話」と。
「私…そんな事言ったんですか!?」と驚くと「嫌ですか?」と寂しい顔に。
「え…嫌じゃないですよ!逆に私なんかでいいんですか?」と言うと「冗談ですよ」と笑いました。
え?え?…となる私に「本当に彼女になってくれますか?」と聞くひさしさん。
「それ本当に?」と不思議そうに見ると「本当に」と真顔で言いました。
「私でよければ…」と言うと、ひさしさんは私を抱きしめました。
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