俊二は社長の哲男に呼ばれた
「お呼びでしょうか?」
「まあ座れ」
向かい合って座る
「なにやら忙しそうだな」
「少し込み入った事が」
「まあ いい」
少し間が開く
「ここからは叔父と甥の会話だ」
「はい」
「お前 遥をどう思ってる?」
「どう・・・って?」
「どう・・・だよ?」
なにか上手く会話が成立していない
「遥ちゃんは可愛いと思います 親類の贔屓目無しで見ても可愛いですね」
「うーん そう言う事を聞いているんじゃ無い!女としてどうだ?」
「叔父さんがなにを聞きたいのかわからない」
「お前 遥と結婚しろ!」
「は~あ?」
「もちろん 今すぐではない 近い将来にだ」
困惑する俊二
「何を言い出すかと思ったら」
笑いながら言う
「真面目な話しだ!」
哲男に睨まれた
「真面目な話しって?どうして?」
哲男は自分の思い 真由美の思い 満男の事 そして典子の事を話してくれた
「遥に不満があるのか?」
「まさか!でも遥ちゃんの気持ちもあるでしょ?」
「遥には小さい頃から言ってある」
「え!嘘でしょ?」
「あの娘はお前だけを見て育ってきた」
「窮屈に生活させたんですね」
俊二の言葉に怒りが滲む
「遥は窮屈だとは思っていない」
「何故叔父さんにわかるんです?」
哲男は1通の手紙を俊二に渡した
手紙は真由美からだった
そこには真由美と遥 親子だけがわかる気持ちと 二人の思いが綴られていた
「お前は知らないだろうが 遥が大病した時 あの娘はお前と一緒になるまではタヒなないと誓っていたよ」
俊二の頭に遥の笑顔が浮かんだ
復讐は大詰めに来ていた
満男からもゴーサインが出た
俊二が集めた風間の浮気の証拠を姫香に渡した
温泉旅行の日会社に向かった風間は仕事を終えると谷川や石井その他とキャバクラへ
そこのキャバ嬢をホテルに連れ込んでいた
それも俊二達が仕掛けた罠
証拠を手にワナワナと震える姫香
(あらら~ 御自分の事は棚に上げちゃう?)
同じ頃風間の元にファイルと共にメールが送られた
ファイルをみた風間が驚愕する
自分の娘が嬉しそうにチンポを舐め 嬉々としてチンポを受け入れている動画
「パパ~ 見て~ 琴音凄い気持ちいいの~ あッあッ凄い また イッちゃう~」
「パパ~ 琴音おかしくなっちゃう~」
最後はアナルでチンポを受け入れている
「あ~ん パパ~琴音 アナルも大好きなの~」
帰宅した風間
「ただいま」
琴音はチラリと見ただけで何も言わない
(この子のアナルが・・・)
「アナタ 座ってください」
姫香が声を抑えて言う
翌日
姫香から切り出された離婚と頭から離れない愛おしい娘の痴態
で一睡も出来なかった
風間のデスクの電話が鳴る
社長に呼ばれた
「貴様!姫香を裏切ったらしいな!」
「ち 違います 社長 信じて下さい 私はハメられたんです」
「ふざけるな!女にハメたのは貴様だろ!」
「社長 信じてください!」
「フッ そんな事はどうでもいい! これはなんだ!」
風間めがけて書類の束が飛んで来る
全て風間の悪行の数々が書かれている
「こ これは・・・」
さらには経理の女性社員を利用した着服や使途不明金のあらましも書かれていた
「貴様 俺を破滅させる気か!」
金は社長にも流れていた
「いいか 今まで目をかけてやっていたのも 姫香を思ってこそだ 今や貴様になんの思いもない!」
静かな口調に背筋に冷たい汗が流れる
「どうするかは お前が判断しろ!」
ブルブルと震える風間
「足掻いても 何を言っても無駄だ 俺の方はすでに手はうった」
「社長!お願いします!助けて下さい!」
土下座をする風間に
「今すぐ 出て行け! 二度と俺の前に現れるな!」
冷たく言い放った
部署に戻った風間は何も考えられずデスクを片付けていた
話しかける者は誰もいない
琴音の動画!
思い出しPCを起ち上げるがいつの間にか動画は消されていた
会社を去る風間 見上げた社屋の窓に孝太郎の姿が見えた
「ヤツか・・・」
「久しぶり」
孝太郎との離婚以来会っていなかった美怜と会った俊二
「少し話さない?」
今はキャバクラで働いていると言う
「慰謝料って結構大変!」
そう言って笑う
「孝太郎は要らないって言ってくれたんだけど ケジメだからね」
「どうして別れた?」
「知ってるでしょ?」
「孝太郎は別れたく無いって言ったと」
「あぁ 孝太郎優し過ぎるんだよ 私みたいなダメな女はもったいないよ」
「だとしても・・・」
「槙原!アナタなら気づいたよね あの動画を見て」
何も言えず視線を逸らす俊二
「やっぱりね そう 私喜んであの男に抱かれてたの」
やはりそうか
「最初は薬だったけど 途中から薬が無くても・・・ね」
「家に誘ったのも私」
「最後は私の方が積極的だったかも」
無理におどけたように話す美怜
「止めろ!」
美怜の頬に涙がつたう
沈黙が流れる
「でも アナタだけは信じてほしい 私は孝太郎を愛していたわ 誰よりも」
「ただ 私の中のなにかを抑えきれなかった」
「なにか?」
「そう ドス黒いなにか フフ そんな事言っても信用出来ないよね いいや ただの淫乱女で」
「わかるよ」
「え?」
「それは俺の中にもあるし 俺のタヒんだ母親の中にもあった」
俊二は典子と満男と哲男の話しをした
「そう・・・ふぅ~ 槙原に話せてよかった」
「お役に立ててなにより」
別れ際
「槙原 アナタ 中学の時 私を避けてたよね?」
「まさかぁ そんな事ないよ 避けてたのは 美怜ちゃんだろ?」
「私?避けてた?」
「ああ あれだろ 何を考えてるのかわからないって」
「そんな事言ったかなぁ?」
「すこ~し 傷ついたんだぜ」
「アハハ・・・ねぇ 本当の事教えてあげようか?」
「本当の事?」
「なんで槙原を避けてたか?それはね・・・アナタの側に居ると濡れちゃうから」
「え?」
「アナタの側で下着が汚れるのが嫌!だったの」
わかっていたのかもしれない だから 美怜に脳揺れを起こさないようにしていたのかもしれない
「槙原ぁ 今度お店に来てよ そうだ!接待かなにかに使ってぇ」
「営業用のしゃべり方をするな!」
「こう見えて 今はNo2争いしてるのよ・・・歳ごまかしてますけど」
二人は笑った
「本当に来てね」
美怜に名刺を渡された
"キャバクラ ノアール”
(の ノアール!)
俊二はめまいに襲われた
気がつくと
ホテルのベッドの上に
隣にはグッタリと横たわる美怜
部屋には淫臭が漂っていた
(・・・ノアール)
ヤツのニヤリとした口元を思い出した
つづく
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