孝太郎が美怜と付き合い始めた
どうやら孝太郎の押しの一手に美怜が負けたようだ
「紹介するぜー 俺の彼女」
「知ってる」
「久しぶりね」
中学の頃より綺麗になったか
少し明るくなってもいる
「まさかアナタが槙原部長の息子だなんてねぇ」
「うん まぁ」
「あまり似てないかな?」
「そんな事ない・・・だろ」
病室の典子の言葉が頭に過る
(俊二は哲男の・・・)
「まあ 部長は仏の槙原だからな」
「仏?」
「優しいからねぇ 槙原部長」
「息子は鬼なのにな」
「誰が鬼だよ!」
笑い合う三人
孝太郎の家に泊まる事になった
美怜も泊まると言う
「いいです 俺がソファーで寝ます」
俊二はソファーで寝る事に
「オイ 今日はヤメてね」
おどけて二人に言った
明け方
(誰か居る?)
俊二は気配に気づいたが寝たフリをしていた
美怜が立っていた
カーテンの隙間から陽射しが顔を映す
冷ややかな視線 手にブルーの布地 おそらくパンティ?だろう
「どうして 私の前に・・・」
そう呟いて美怜は寝室へ戻った
(なんだったんだ?)
美怜に脳揺れが起こらないのも不思議だった
孝太郎と美怜は結婚した
二年後 順風満帆に見えた生活に暗い影が落ち始める
「忙しそうだな」
「最近 出張が多くてな」
「そうなのか?」
「他の奴らより多くなってる」
「上司に話してみたら?」
「部長に言ったんだが・・・」
「なんだって?」
「君には期待してるって」
「営業部期待のホープか」
「ハハハ」
孝太郎が力無く笑った
満男と孝太郎が勤める海山商事で事件が起こった
満男の部下の佐伯が○○未遂を起こした
「父さん 大変だね」
「まあな どうやら仕事が原因では無いらしいんだ」
「そおなの?」
「書き置きがあったらしい まあ 見せては貰えないがな」
どうやら男女間のトラブルのようだ
俊二は孝太郎から呼び出された
リビングへ向かうと
うなだれた美怜が座っていた
「よお」
声をかける
「わざわざすみません」
消え入るような声で頭を下げる美怜
テーブルにはPCが置かれている
「まず これを聴いてくれ」
音声データ
流れる音声に俊二は不快感を覚えた
つづく
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