あの日以来 月一の哲男の訪問は俊二の密かな楽しみだった
典子と哲男が悪い事をしているのは子供心にもわかっていたが乱れる典子の妖艶な美しさが俊二を虜にしていた
満男と典子のセックスも覗いたがあまりピンと来なかった
(なんか哲男叔父さんの時と違うな)
典子の痴態を思い浮かべオナニーする毎日
だが 典子を抱いているのは哲男では無い黒い影の男
十数年前
哲男は大学の頃から仲間を集め起業しそれなりの成果をあげていた
満男は真面目で頭が良くそれなりの会社に勤めている
兄弟仲は良く 二人で出掛ける事も多かった
哲男のアパートに迎えにきた満男がドアを開けると
「あ~んあー いい~」
女のあえぎ声が聞こえた
(チッ またか)
哲男は女癖が悪かった
金もあり女にモテた
構わず部屋へ入った
寝室の戸が開いている
バックで突かれている女と目が合う
「ヒィ!」
女は小さく悲鳴をあげた
「気にするな 弟だ 悪ぃ満男ちょっと待ってろ」
腰の動きを止めずに哲男は言う
満男は何も言わず寝室の戸を閉めた
「満男!チャーハン作ってくれ」
女のあえぎ声に混ざりながら哲男からの注文
台所に立つ満男
寝室からは女のあえぎ声とパンパンと打ち付ける音が聞こえる
「あッあッ イク~ イッちゃう~ あッあ~~~」
(終わったか)
満男は三人前のチャーハンをテーブルに並べた
「あぁ 腹減った」
哲男が寝室から出て来る
「兄貴 いい加減にしてくれよ」
「お前が予定より早く来たんだろ」
「10時って言ったのは兄貴だぜ」
哲男は何も言わずチャーハンをパクついた
「オイ!お前も食べたら?」
寝室に声をかける
身支度を整えた女がテーブルに着く
無言の食卓にカチャカチャと食器の音だけがしていた
満男の車で女を送り 二人ででかける
「見たことない女だったな」
「この間 居酒屋で知り合った」
「大学生?」
「イヤ どっかのOLらしい」
「らしいって・・・」
「気になるのか?」
「毎回毎回 よくやるな って思っただけだよ」
数日後
「海山商事の槙原と言いますけど 企画課の○○課長はいらっしゃい・・・あ!」
打ち合わせに来た満男は受付で見た事のある顔をに出くわした
「え!」
受付嬢も驚いたようだ
気まずい空気が流れる
「き 企画課でしたら 三階へお上がり下さい」
「あ ありがとうございます」
(まさか 兄貴に逝かされてた女がここの受付だとは・・・)
つづく
※元投稿はこちら >>