福岡県の老人介護職員対象の研修会。
徹は『高齢者の自慰』と題して講演した。
以下、その要旨……。
幼少期や子供時代に親の性交を見て衝撃を受ける子供は多数存在する。
それ以上に衝撃を与えるのは親の自慰を目撃した時だ。
実際に目撃した人達のいくつかの証言を聞いてみよう。
まずは20歳代後半の男性の証言。
「母の自慰を目撃、部屋に入った瞬間、50歳になる母がローターを急いで隠した」
次は30歳代の女性の証言。
「私は先日58歳の母の部屋からバイブを発見、35歳の私でも頭が真っ白、どう考えても受け入れられない」
次も同じく30歳代の女性の証言。
「父はエロい部分を微塵も感じさせないが、テレビ放映された映画「チャタレー夫人の恋人」を録画していることが分かり、驚いた」
週刊誌にはこんな記事もあった。
「60歳の女性が自宅で急死、救急隊員が駆けつけると彼女は畳に下半身だけ裸で仰向けに倒れており、キュウリが膣に挿入されていた」
更にはこんな記事もある。
「自慰をしていた54歳の女性が炬燵で寝た状態で死亡、第一発見者の27歳の息子はショックを隠しきれなかった」
性交や自慰中の一般的な死の要因は……、
男性では冠状動脈の硬化のために起こる心筋梗塞が多く、女性では脳出血が多い。
「警察署の遺体安置所で検案した時、下着が裏返しになっていることに気づき、脱がせてみると膣内に1本のソーセージが……、発見した家族が慌てて履かせたらしい」
飲酒によって血圧が上昇する上に自慰で更に血圧や心拍数が上昇し、脳出血などの危険を伴う。
特に50歳代以上、脳や心臓に持病のある人は注意を要する。
女性は膣内にモノを詰めすぎて血圧が急変し、クモ膜下出血を起こすケースもある。
経験の少ない若年層の性は異性に接触するだけで興奮する。
そのため、絶頂まで一直線に進む。
が、経験を積んだ高齢者の性は興奮を得るためのシチュエーションや性具が必要となる。
不倫による性交はその一例だ。
中高年の不倫による激しい情愛は、渡辺淳一の『ひとひらの雪』、『くれなゐ』、『失楽園』、『愛の流刑地』などに詳しい。
高齢に向かうにつれ、女性はエストロゲンの低下に伴って外陰部の分泌が減少し、性交痛を感じるために性交回数は減少する。
一般には性欲も減退する。
が、性的欲求は高年でも維持される。
65歳以上の女性人でも半数以上が性行為を含めた男性との交際を希望する。
70歳を過ぎても性的刺激により膣から分泌液を出す。
閉経後は妊娠という重荷から解放され性欲は益々強まる。
閉経すれば女性は妊娠能力はなくなる。
が、男性は70歳代で70
80歳代で60
90歳代で50人の精液に精子が含まれる。
性機能が減退するため老年期の性衝動は多目的となる。
性対象の倒錯傾向が見られたり、性的空想や自慰的行動も起こる。
例えば対象を無抵抗の幼児に向けたり若い人の性行為の覗き見により性的満足を得ようとする。
老年期の性行為は、若年期に比較して性器よりもスキンシップや性的空想など、より広範な身体的・心理的性活動に拡散する傾向がある。
老人ホームでは男女問わず認知症の発症者の自慰が目撃される。
40歳代の女性介護士を見つめながら堂々と自慰する70歳代の男性。
堂々と股間を開いて性器を見せながら自慰する80歳代の女性。
中には同居する異性に襲い掛かる例もある。
家族の同意を得て性具を与えると、他人に危害を加えることは減少するという。
徹の講演はなおも続いた。
俳人の小林一茶は52歳で初婚。
妻28歳。
毎晩の性交回数を日記に書き残している。
8月8日、5回。
8月12日、夜3回。
8月15日、夜3回。
8月16日、3回。
8月17日、夜3回。
8月18日、夜3回。
8月19日、夜3回。
8月20日、3回。
8月21日、4回。
……
妻を絶頂させた回数なのか、本人が射精した回数なのかは不明。
が、いずれにせよ52歳という年齢に鑑みれば異常な回数だ。
平均寿命が40~50歳という江戸時代にあって別格の性豪ぶりだ。
28歳の若妻に4人も子供を産ませている。
妊娠中も一茶は妻の躰を求め続けたという。
過酷な性生活を求められたこの若妻は37歳の若さで過労死した。
毎晩夫に気持ちいいことをされて悦び喘ぎながら死んでいったのなら幸せな女だったとも言える。
一茶は、この若妻の死後、62歳で2度目の結婚をしている。
やはり過酷な性生活を強いられたこの妻は早々に離婚を求めた。
3人目の結婚でも若妻に子供を一人産ませている。
一茶は64歳で世を去る。
その死の直前まで妻の躰を求め続けたという。
「やせ蛙まけるな一茶これにあり」と詠んだ一茶。
尋常ではない性豪ぶりだ。
が、高齢者の性交に危険が伴うことは昔も今も変わりはない。
ホルモンバランスとの関係から言えば適切な回数は週一程度と言えよう。
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