佐賀県の中学高校の養護教諭の研修会。
徹は『中高生の自慰』と題する講演を行なった。
以下、その要旨……。
「オナニー」なる呼称は、『旧約聖書』創世記第38章のオナンの物語に由来する。
ユダの子で兄にエルがいたがエルは罪を犯して死ぬ。
エルに子供はおらず、ユダヤ法では子供なき場合、未亡人は他人と結婚できない。
夫の兄弟が代わりに彼女を孕ませなくてはならない。
オナンはエルの妻と性交することになった。
が、途中で兄の子を作ることを放棄(性交を中断)した。
膣外射精したのだった。
オナンの行為を不快とした神はオナンを死に至らせた。
キリスト教では生殖を目的としない性交を罪悪と見なす。
また「マスターベーション」なる呼称はラテン語のMasturbareに由来しmanus(手)とturbare(淫する)の合成、すなわち「手淫」の意だ。
現在では自慰は特に身体に害はないことが分かっている。
が、中高生の場合、過度の自慰に耽る傾向がある。
これは時には死に至る。
ある県の男子高校生が上半身のみ衣類を着用した状態で死亡しているのが男子生徒自身の部屋で発見された。
病院の診断によれば、精巣内から過度の精子が分泌されていた。
脳波が興奮状態に陥った時に心肺が停止したと見られる。
死亡解剖の結果、この日彼は数十回にも及ぶ自慰行為に至り、性ホルモンの過剰分泌が原因で急死したという。
性ホルモンの過剰分泌によって生じる、いわゆる『テクノブレイク』。
あまり聞きなれない『オナニー死』。
だが、東京23区だけでも年間に20~30の例、全国で200~300例ほどと推測されている。
オナニーのしすぎは要注意だ。
また、腹上死や自慰死は死因(疾病・損傷)とは認定されず状態を指す。
病死・変死として扱われるケースが多い。
そのため、実際数はこれよりも多い。
射精時には激しい運動と同等の負担が心肺にかかる
従って血圧も急激に上昇する。
自慰行為が心不全やクモ膜下出血を誘発することがある。
本部からの要請を受けて現場へ駆けつけた署員が見たものは、個室のソファに座った男性が半裸姿でグッタリ。
外部から侵入されたり部屋を物色された形跡はない。
精子が付着したティッシュペーパーとポルノ雑誌が床に散乱していた。
オナニー死であることは一目瞭然だった。
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