「~、たっくん」
「キミちゃん」食後、焼き肉店の駐車場ではしゃぐ幼いふたり、別れの時間を惜しんでいるかのようだ
「ねえ、久美子さん、七夕祭りの時は仙台に遊びに来てくれるでしょ、たっくんも連れて」
「ええ、うかがうわ、その季節はこっちはあまり忙しくないから」盆地のこの地域は夏はあまり観光客は来ない
「ねえ、あなた、たっくんとはどうしてるの?」美智子は一番関心のあることを尋ねた
「どうしてるって?」久美子は美智子の真意がなんとなくわかっていた
「お風呂とか、一緒に入ってる?」
「ええ、美咲が夜勤の時とかに」
「あら、美咲ちゃんとはもう入ってないの」
「そうね、やっぱり意識しちゃうみたい」
「ママとはどうして入ってくれるの?」
「入ってくれたら、そのあと甘やかしてあげるの」
「どんなふうに」
「ちょっとだけ胸を触らせてあげるの」
「やっぱりね」美智子は意味深な笑みを浮かべた
「ねえ、たっくん似てきたわね」美智子が星空を見上げながら言った
「そうね、時々ドキッとする」久美子も星空を見上げる
「たっくんはノンが残してくれた宝物」
「ええ」
「紳士協定を結ばない」
「どんな」
「あの子を自由にする権利、第一位はあなた、第二位はわたし、第三位は美咲ちゃん」
「ええ、いいかも」
「それじゃ決まりね」ふたりは握手を交わした。
「でも、独占は無しでしょ」
「そう、姉さんは独占したくてああなっちゃったけど、わたしたちはノンが残してくれた宝物を共有して、女としての残された人生を楽しむの」
「そうね、あなたのお姉さんの分まで宝物を可愛がってあげよう」
「今夜、関係を深めてみたら」
「そうする。七夕にはあなたの番ね」
「うん、楽しみにしてる」満点の星空の元、恋する母たちの密約は交わされた…
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