「へへへ・・。」
駅まで送って貰って彼と別れたあたしは、電車の中でニヤけていた。
本当の意味で『朝帰り』だ。
学生時代に飲み会の後、終電を逃してカラオケボックスにいたのとは違うもんね。
・・『女』になったんだよ。
・・『女の悦び』も経験したし。
何よりも不安が払拭されたのだ。
濡れ難い。
感じない。
解ぐれない。
あたしは自分の『女としての機能』に漠然とした不安を抱いていた。
不感症・・とかだっら、どうしよう。
調べることすら怖かった。
一生、処女かもしれないと怯えていた。
そんな不安が一気に解消されたのだ。
しかも一晩で数回の絶頂すら味わうことが出来た。
さすがにアソコへの挿入は、ちょっと痛かったけど、それだって想定していた痛みよりは遥かにマシだった。
それに何よりの収穫。
あたしはスマホを取り出してパスコードを叩く。
じゃじゃーん!
彼の個人携帯、ゲットしましたぁ!
思わず頬が緩む。
スマホを凝視しながらニヤけていた。
いかん、いかん。
これじゃ不審人物だ。
顔、引き締めなきゃ。
にやにや、きりり
だが結局、このローテーションを何度も繰り返しながら家路を辿るあたし。
歩くと・・違和感がありますね・・。
下腹部の芯に何かが埋まっているみたい。
痛いって程じゃないんだけどね。
「ただいまぁ。」
誰もいないけど、帰宅の挨拶。
家に着いたあたしは、取り敢えず着替えを。
ついでにシャワーも浴びよっかな。
あ、湯船に浸かっちゃおっと。
湯船にお湯を張り、鼻歌混じりで身体と髪を洗い、湯船に身体を沈めた時でした。
・・ん?
・・んん?
・・ひりひりと・・沁みますね・・。
・・アソコのかたちが分かるっていうか。
軽く擦り剥いたような感じ。
何だかメチャクチャ恥ずかしい。
お風呂から上がり、身繕いを済ませたあたしは思案する。
時刻は十四時。
お腹は空いていない。
眠くもない。
出掛ける用事も無い。
あたしはスマホを取り出して凝視する。
で、電話しちゃおっか・・な。
・・お礼・・とか。
あ、でもまた噛んじゃうかも・・
・・寝てるかもしれないし・・
・・メールにしておきましょう。
軽ぅーく、さりげなく、だ。
>お疲れ様です。
>昨夜は本当に有難うございます。
>まずはお礼まで。
ダメだ。
これじゃ終わっちゃう。
これじゃ・・続かない。
・・・終わるのは・・耐えられない。
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