「それから、私はミキと会うことはなかった」海辺のラブホテルの504号室のソファーに座り、昔を語る私の髪を舞香は撫でた
「今の母は、腹違いの弟とわたしを平等に可愛がってくれました」舞香は私に抱きついた。
「約束の金曜が来ても真紀子さんとまいかは公園に現れなかった。それから2週間私はその公園に通い続けた。だが、二度と会うことはできなかった。そして私は君たちを記憶から消し去るためにやんちゃな日々を送った。半年が過ぎた頃、まみが結婚式に出席したといって、写真を1枚見せてくれた。ウエディングドレスとまとい幸せそうに微笑むミキとその手を握る女の子、そして彼女のお腹は大きくなっていた。その女の子はまいかだった。君の今のお母さんはミキさんなのかな?」
「そうです。母はママが亡くなったと聞いてわたしに秘密を打ち明けたんです。その秘密は父にも打ち明けていないと、弟は父の子ではないのです。ママのひと晩の過ちを父に話し、ママを追い出し、父の妻の座についた母は、わたしを実の子のように可愛がってくれました。その母が申し訳ないと泣きながら中学生だったわたしに謝ったんです、ママのこと、そして弟はわたしの母と過ちを犯した大学生の子だと」私はその言葉にさらなる衝撃を受けた。震え出す私の身体を舞香が優しく包み込む
「舞香、私はどれだけ罪を重ねてきたのだ」
「敬之さん、わたしはあなたを責めていません。過去の過ちは若気の至り、今のあなたを心の底から愛しています」
「舞香」私の唇を舞香が塞いだ。私の頬を涙がつたう。その涙を舞香が拭った
「過去を悔い改めて、これからのわたしたちの未来に目を向けてください」
その夜私たちは抱き合って眠った。舞香の裸身に包まれながら私は過去を悔い改め、舞香と共に生きると誓った
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