二週」間に一度教授宅の集まりは開催された。そのたびにまみが友人を引き込み人数が増えていった。一方、真紀子とまいかとの公園デートも毎週続き、7月になった。
「来週、まいかを海に連れて行こうと思おうんですが」私が真紀子の横顔に見惚れていると彼女が口を開いた。
「えっ?ごめん、聞いてなかった」
「もう、敬之君ったら、いつもわたしの顔をみてボーっとしてるんですもん」少し拗ねた表情の真紀子
「ごめん、つい見惚れちゃって」
「ほんと?」
「うん、初めて会った時から、真紀子さんにずっと見惚れてた」
「嬉しい」ベンチにの上の私の手に真紀子の手が重なった
「ママ~」数メートル離れたところから、まいかが手を振っていた。真紀子の手が私から離れ、まいかに手を振った
「来週海にまいかと二人で行きます。一緒に行ってもらえませんか」真紀子が微笑み私を見つめた
「は、はい、もちろんご一緒させてもらいます」私は直立し、直角にお辞儀をした
「もう、大げさな~、ここからだと海が遠いし、一泊しようと思ってるんですけど、大丈夫ですか。運転はわたしがしますから、まいかの面倒を見ていただきたいんです」
「よ、喜んで、お供します」
「良かった、一泊だから無理かなと思ってたんです」
「で、でも、その一緒の部屋で、ご主人とかにバレませんか?」私は恐る恐る聞いた
「えっ、誤解しないでください。ホテルの部屋は別々ですよ、ホテル代はお渡ししますから、チェックインとチェックアウトは別々にお願いしたいんです」
「ですよね」私は心の中でしょんぼりした。
「あの子が寝たら連絡しますから」私の心に明るい光が差し込んだ
「来週の教授の家での親睦会延期したいんだけど」
「あたしはいいですけど、姉さん楽しみにしてたからどうかな~、仕事も入れてないみたいだし」私はまみの部屋で夕食を一緒にとっていた。
「そこをなんとか」私は拝むポーズを取った
「頼んでみるね、その代わり、今晩はいっぱい甘えさせて」
「了解」まみはさっそくミキにメッセージを送った
「姉さんまだ残業だって、来週のために仕事を片付けてたんだって」
「ミキってなんて会社に勤めてるの?」
「ひめのぎ?結城?不動産だったかな?」
「不動産会社?」
「何でもお父さんが急逝して、姉さんが共同経営者とかになってるとか」
「ふ~ん、偉いんだ、だからあんな高級車乗ってるんだ」
「そうだよ、このマンションだって丸々その会社の所有なんだって」
「へえ~、もうかってんだ」その時、彼女の仕事や人間関係についてもっと詳しく調べておけば…、姫乃樹舞香の母親、旧姓伊藤真紀子がウイルスに感染し、寂しい最後をとげることは無かったのかもしれない…
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