予定より早く家に戻った。玄関を合鍵で開けると、ドアチェーンがかかっていた。チャイムを鳴らした。3分くらいして妻がドアを開けた
「ついくせで、チェーンかけちゃってたの、ごめんなさい」荒い息の妻は微かに汗ばんでいるようだ
「明日早くから、○○公園にでも行こうと思うんだけど、誰か一緒に行かないかな」○○公園の飛行機広場は子供たちが小さいころよく遊ばせた場所だ
「行かないとおもいますよ。」妻はややあきれ顔だ。
「そうだな、風呂入れるか」
「ええ、どうぞ」そう言うと妻は二階に消えた。次男の勉強でも見ていたのだろうか
私が30分ほど風呂につかっていると
「お父さん、まだですか」妻の声がした
「ああ、そろそろ出るよ」家では長風呂も気がねしてしまう
寝室は妻とは別だった。家を購入したばかりのころは良くお互いの寝室を行き来したものだが、いまではまったく無い。私はすぐに睡魔に襲われた。深夜、喉が渇いて目が覚めた。2階の長男の部屋から微かにベッドのきしむ音が聞こえた。私は部屋を出たキッチンに向かった。廊下を歩きながら少しせき込んでしまった。冷蔵庫に入っていた麦茶を飲み、寝室に戻った。ベッドのきしむ音は消えていて、私はすぐに眠りについた。
翌朝、私は8時に家を出た。○○公園までは車で30分ほどだ。途中で朝食をすませ、航空広場に着いたのは約束の時間の1時間前だった。「こちらから声をかけます」ということは相手は私を知っているということか。SNSに写真も載せてしまっていたことを思い出し今更ながら後悔した。
「早いんですね、まさと君のお父さん」約束の1時間前だというのに声をかけられた。声の主は、長男と同じ高校の制服を身にまとっていた
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