「最近入った娘がな、君の奥さんに感じが似てるんだよ」常務はニヤニヤしながら店のドアを開けた
「いらっしゃいませ」と声がしてママが迎えた。常務の高校の後輩とのことだが、和服の似合う美人で、一度はお相手願いたいと思うタイプだ。
「田端さん今日は大沢さんもご一緒なのね、嬉しいわ~」
「いらっしゃいませ」席はすでに用意されていた。テーブルにいたのは確かに妻の里奈に感じが似ている女性だった
「先週入った結衣ちゃんよ、田端さんにごひいきにしていただいて」
「結衣です、よろしくおねがいします」深々と頭を下げた。
「大沢です」私も軽く頭をさげた。すると結衣はさっそく常務に腕をからめた
「また来てくだすったんですね、うれしい」甘えた声をだして身体を摺り寄せた
「おお、まあ座ろうか」常務も満面の笑みだ
「あら、それじゃこちらも負けちゃいられないわ」ママが私の腕に腕を絡めてきた
「おい、ママ、そいつは若いやつじゃないとだめだぞ」常務が楽しそうに言った
「あら、失礼ね、そんなこと無いわよね~、大沢さんは女の見る目があるから」ママが俺の肩に頭をもたれかけた。
「ええ、私はママが好みだから、襲っちゃおうかな~」私はおどけた
「あれ~」ママが俺に抱きついた
「ころ、ママ、自分から襲ってどうする。大沢君は表向きは奥さん一筋だから、なかなか堕ちんぞ」
「奥さん一筋なんですか~、素敵」結衣が言った
「そうだよ、その奥さんが、結衣、君にどことなく雰囲気が似てるんだ。だから彼がどこまで我慢できるか今夜は試してみようかと思ってな」
「もう、田端さんたら意地悪ね~」ママがいつの間にか全員のグラスを用意していた。その辺は抜け目が無い。
「それじゃ乾杯」常務の音頭で乾杯した。
「ちょっとお席はずさせていただきます」ママが席を立つとチーママが別の女の子を連れてきた
「今夜デビューのミクちゃんです。昼間は新人OLさんだから、お手やわらかにね」ミクと紹介された娘は私の隣にすわった。おとなしい感じの華奢な女の子と言った感じだ
「よろしくね」常務は挨拶すると結衣と話を戻した。確かに私の妻に似た感じはするが、妻より一回り痩せていることは確かだ
「あの、乾杯していただいていいですか」ミクがオレンジいるの飲み物が入ったグラスを私に向けた
「ああ、いいよ」
「大沢さんですよね、よろしくお願いします」
「ああ、よろしく、ミクちゃん」私は微笑みグラスを合わせた
「大沢さん、素敵ですね」ミクは私の目を見つめはにかみながら言った
「君も可愛いね」
「ありがとうございます。なんだか、恥ずかしい」照れるしぐさにそそられる
「そうだ、大沢君、奥さんの写真見せてくれるか」
「ええ、奥さんの写真もってるんですか~、凄い愛妻家!」結衣が楽しそうに言った
「田端常務、これっきりですよ、いつもネタにされるんですよ」私は渋々スマホに保存してある妻の笑顔の画像を見せた
「わあ~、綺麗な奥さん」ミクが両手を組んで少女のように言った
「ほんと、どことなくわたしに感じがにてるかも」結衣が驚いていた
「だろ~、だからついつい結衣ちゃんに夢中になっちゃうんだよね~、オレ」常務が背中から結衣を抱きしめた
「もう、田端さん、ダメですよ。お店では」
「そうだね、それじデートの時に」
「嬉しい、どこに連れてってくれるんですか~」ふたりの会話が続く、するとミクが身体を寄せてきた
「わたし、優しい男性に憧れちゃいます」大きな瞳で私を見つめた。年甲斐もなくドキドキしている自分に気づいた
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