マスクをすると何故女性はあんなに綺麗に見えるのだろう。
目の周りの化粧が少し濃いめで、隠れた口元が素晴らしく愛らしい形であることを想像するからだろうか。隠れていることは素晴らしい。
それに、マスクは口枷を想像させる。「ギャグ」は女性の自由を奪うところに快楽の予感がある。自由を奪ってさあ、何をしようか。
同じくチョーカー、アンクレットも奴隷の象徴であって、芳しい。
全頭マスクというのもある。カラダだけが素晴らしい女性を充分堪能できる。衣服は結果的に性的になる。女性の服装をすることだけで官能を刺激するのは滑稽なことだが、倒錯とはそういうことで、病的なものにしか倒錯の官能は味わえない。健康ではなく鈍感かセンスがないのだ。
三か月髪を伸ばしたら、中島にヘアバンドをもらった。「化粧してマスクしたら、絶対
ええ女になるで」中島は二年の時から俺を狙っているのだが、まだお口だけで体は許していない。
「今度映画に行かへんか、遠くまで、だれもおらんとこまで行こうや」
中島の魂胆はわかっている。俺に女装させて映画館で痴漢をする気だ。
「なにを観るん」
「もちろんポルノや」
「ビデオでええじゃん」
「大きな画面で大きなオッパイを観るんじゃ」
「俺が女の格好しても、映画館は暗いからわからん」
「途中で盛り上がってきたら、トイレに行って、おまえを貪るんじゃ」
「男子便所か女子便所か」
「男子便所じゃ」
「ほしたら、ほかの男どもが着いて来たりせんか」
「ほら、ついてくるかも知れんなあ」
「どうするよ」
「見せちゃる。見せつけちゃる」
「犯られてるとこ観られるんか」
「どや」
「ドキドキするな」
「ま、そんなことはせんけどな」
「ほんなら、なにする」
「手は握るな。キスもするな。あそこもさわるな、さわり合いじゃ」
「もう少しだけなら、嫌らしいことできるで」
「ええ娘じゃな」
「ほなら、土曜日の朝待ってるな」
そのころの二人は修学旅行も連れていってもらえなくて、理由は俺の服装の乱れ(実は女装)と中島は飲酒で停学だった。
先生も修学旅行に行ってるので、二人は自由に隣町の映画館でデートをした。
結局、中島にトイレで掘られたが、誰も観てはくれなかった。
その夜、夢でみんなと一緒に修学旅行に行っていたが、宴会場みたいなところでみんなに観られながら、中島に犯されていた。
起きたときなんだかうれしいような楽しいような感じで、すぐにでも中島に会いたい気がした。
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